ゲームタイトルで使用するファイルやディレクトリをひとつにまとめた、仮想ディスクイメージ『ROFSイメージ』を取り扱うファイルシステムです。
ROFSイメージの中のファイルへは、ROFSファイルシステムを通してアクセスします。

ROFSはどういった点にメリットがあるのかを説明します。
(1) ファイルシステムの制限事項を回避
ゲーム機用ファイルシステムはメモリ効率や処理性能が重視され、そのトレードオフとして、ファイルやディスクの構成に制限事項が設けられることがあります。
ファイル名のネーミングルール(8.3形式など)、ファイル数・ディレクトリ数の上限が制限事項の代表的なものです。
ROFSを使うことで、こうしたファイルシステムの制限事項を回避することができるので、フレキシブルなデータハンドリングを行えます。
(2) ファイル処理のパフォーマンスの向上
ゲーム機にはDVD-ROMなどの大容量ドライブが搭載されていますが、アクセススピードが十分とはいえません。
ROFSはCD/DVD-ROMでのアクセスに適したAPIを用意しています。
そのため、素早いファイルオープンなど、性能向上に大きく貢献します。
(3) データ管理の容易さ
ゲームタイトルで使用するファイルを一つにまとめることのメリットは、性能向上だけではありません。むしろ、データ管理が容易になる点が大きいといえます。
データ作成は段階的に、ステージ1, ステージ2,...といったように進めます。
完成したデータをひとまとめにすることにより、古いファイルを間違って使ったり、紛失してしまったり、といったデータ管理上のトラブルを防ぐことができます。
ROFSはデータ管理をサポートする機能もまた備えています。
(4) マルチプラットフォームに対応
GAMECUBE, PlayStation2, Xbox, PC、すべてのプラットフォームにROFSを提供しています。
ROFSのAPIは特定のプラットフォームに依存していないので、他機種への移植もスムーズに行えます。
次に、ROFSの特徴について説明します。
(1) CD-ROM規格に対応したファイルシステム
ROFSはCD-ROMの標準規格であるISO9660をベースに拡張しており、CD-ROMと同じ手順でファイル操作を行うことができます。
ロングファイル名によるアクセスや、階層ディレクトリ構造などを利用できます。
(2) データの保護
ROFSイメージにデータをひとまとめにするので、データを不正に取り出すことが容易ではありません。セキュリティ機能も備えています。
(3) マルチボリュームハンドリング
複数のROFSイメージに同時にアクセスすることができます。
ROFSイメージはゲームシーンやファイル種別ごとにまとめると良いでしょう。
(4) デバイス等価
ROFSイメージ中のファイルにアクセスするには、まずROFSイメージをボリュームとして登録します。
登録したボリュームはデバイスとして見なされるので、他のハードウェアデバイスと等価に扱うことができます。
デバイス名を変えるだけで、HDDからDVDへ、さらにはROFSへと、対象デバイスを簡単に変更することができます。
ROFSはADXファイルシステムと協調して動作しています。
システム全体におけるROFSの位置付けを以下の図に示します。

図1.2 モジュール構成図
ここでは、ROFSを組み込む上でのポイントを説明します。
●ROFSイメージを登録するだけでファイルアクセスの準備が完了
登録したボリュームは他のデバイスと等価に扱うことができます。
《例》 DVD上のROFSイメージ "CDV:SAMPLE.CVM"をボリューム"MY_VOL"として登録します。
ADXF_AddRofsVolume("MY_VOL", "CDV:SAMPLE.CVM");
●ファイル操作にはADXファイルシステムを利用
ファイルオープンや読み込みなどの基本操作には、ADXファイルシステムの関数をそのまま使うことができます。
ボリュームやディレクトリの操作にはROFSの関数を使います。
そのため、ROFSの組み込みも簡単に行えます。
《例》 ROFSイメージ中のファイル"FILE1.BIN"からデータを読み込みます。
adxf_hn = ADXF_Open("MY_VOL:FILE1.BIN", NULL);
ADXF_ReadNw(adxf_hn, sct_siz, rd_buf);
While (ADXF_GetStat(adxf_hn) !=ADXF_STAT_READEND) {
/* V-Sync待ち(ADXサーバ関数実行)*/
}
ROFSツールとは、ROFSイメージ作成や編集を行うツール群のことです。
これらのツールを連携操作し、ROFSイメージを作成します。
(1) ROFSイメージビルダ「ROFSBLD」
ROFSイメージファイルを作成するためのツールです。
作成するディスクの構成をスクリプトファイル(CVSファイル)により表し、このファイルを基にイメージファイル(CVMファイル)を作成します。
(2) ROFS用スクリプト生成ツール「ROFSGEN」
ROFSBLD用のスクリプトファイルを自動的に生成するツールです。
(3) ROFSイメージエディタ「ROFSEDIT」
ROFSイメージに対してファイルの追加や削除などの編集操作を行います。
(4) イメージビューワ「ROFSVIEW」
ROFSイメージに格納されているファイル一覧や、ROFSイメージの情報を確認できます。
ROFSイメージ作成工程をROFSツールを中心にまとめました。

図1.3 ROFSイメージ作成工程
(2008年11月追記)
(2003-04-28:CRI-MW 平崎泰司)
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