導入事例

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株式会社カプコンインタビュー
ADXとSofdecが、ゲーム開発者の手で進化する!
音と映像のマジック、究極の『アウトモデリスタ』ワールド

プラットフォーム

PlayStation2

導入製品

CRI ADX / CRI Sofdec

2002年10月1日インタビュー

アウトモデリスタ最大のウリ、「VJ」はこうして生まれた! ムービーをムービーと思わせないSofdecの裏テクとは!?

司会: では、次はSofdecを使って頂いた感想をお願いします。

山崎: 実は「アウトモデリスタ」では、Sofdecを面白い方法で使っているんですよ!

押見: と言うと…?

山崎: 今作の機能のひとつに「VJ」というのがあるんですよ。この「VJ」のなかで、ゲームのリプレイシーンとSofdecのムービーとを合成してカッコイイ画像を生成しているんです。

押見: 「VJ」って、リプレイをいろいろ編集して、映像作品を作るモードですよね?

山崎: そうです。「アウトモデリスタ」は、ゲーム自体の描写でかなり重い処理をしてるんですよ。結局、想定を超える処理が必要になってしまったんです。「VJ」実現のためにその処理を軽くしようという意見も出たのですが、クオリティを落としたくないということで、そのままになったんです。さてどうしよう、という話になったときに、このSofdecムービーのアイデアが生まれたんです。で、どの程度、ムービーで対応できるかを調べてみたら、かなりのところまで出来ることが分かって、「これで行こう!」ってことになったんです。

上山: 山崎も私もアーケード出身だというお話をしましたが、アーケードをやってきた人間って、ゲームにムービーを使う、っていう発想ってなかなか出来ないものなんですよ。

押見: でも、そういう方って、アーケード出身かどうかにかかわらず、結構多いですよ。「ムービーなんかでやるより、実際に動かしちゃったほうがラクじゃん」って考え方をされる方がたくさんいらっしゃいますね。

上山: 「アウトモデリスタ」で実践してみたから実感できますが、ムービーを使うって、実は非常に有効な手段なんですけどね。

押見: 私、初めて「アウトモデリスタ」を見たときに、どこにムービーが使われているか分からなかったですからね(笑)。それくらい、自然にさりげなく使われていたので驚きました。

山崎: そうですよね(笑)。

上山: 実はいっぱい使ってたんですよ(笑)。あらゆるところで。

山崎: 具体的には、「VJ」で作ったシーン上で、走行するクルマの上に文字とかイラストがアニメーションで表示されるのですが、これらがすべて、Sofdecムービーになっています。

上山: あんなにうまくいくとは思わなかったよね?

山崎: ええ。実際には、ただムービーを重ねているわけではなくて、軽いプリミティブやフレームバッファの取り込み等をいろいろと組み合わせてやっているんです。

押見: あれ、本当にすごいですよね。普通に眺めていたら、あれがムービーだなんてまず誰も気づかないですよ! 私が分からなかったくらいですから(笑)。

上山: そこら辺は、アーケード出身者としての意地かもしれませんね(笑)。ベタでムービー使うんじゃなくて、いろいろと試行錯誤してやってみる、っていう。

山崎: Sofdecが半透明を使った加算処理が出来たことも大きいですね。

押見: あれは、Sofdecの「αムービー(※1)」機能を使っているんですか?

(※1)αムービー: Sofdecの一機能。ムービーデータにαチャネル(透明度)情報を持たせることが可能に。ゲーム画面とムービーとのα合成により、違和感の少ない合成表示を実現。デモ例はこちら

山崎: いえ、「αムービー」のマスクは使用していません。ムービーの素材ごとに抜ける色を設定して加算合成しています。

押見: どれくらいの負荷でしたか?

山崎: 実は、画像サイズもいろいろ試してやってみたんですが、負荷的には予想以上に小さかったんですよ。小さいサイズの映像を引き伸ばして表示しても、それほどクオリティが落ちなかったのでうまくいきましたね。いろいろな映像ソースをつかって、いろいろなパターンで試してみましたけどね。

押見: そういう下調べが徹底していて凄いですよね。山崎さんからいろいろと質問のメールを頂くじゃないですか? そのメールを読んでも、「あぁ、これ、随分いろいろと調べてから聞いてきているんだなぁ!」っていうのが伝わってくるんですよ。

上山: それが我々がまさしくやらなければならない部分ですから、徹底するよう心掛けています。ライブラリやミドルウェアの会社さんと付き合うときに、すべて丸投げしちゃうのもアリだとは思いますが、個人的にそれはしたくないんですよ。

押見: なるほど。

上山: 言い方が悪いかもしれませんが、すべて「人まかせ」のスタンスでいると、万が一、何かあったときに、自分たちで対処できなくなっちゃうじゃないですか。だから、常に自分で理解して把握しておきたいんです。

押見: 素晴らしいですね。ウチのスタッフも見習ってほしいですね(笑)。。

上山: ソフトウェアってやっぱり1つの商品ですから、その商品に責任を持たなくちゃいけない。もしミドルウェアの使い方が間違っていたりして、商品に問題が生じたら大変ですからね。正しい使い方をしているか、常に確認しておきたいですね。

山崎: 特に、今回はPS2でしたし、バランスのとりかたが非常に重要なハードですから、特に気にしましたね。

押見: あと、「アウトモデリスタ」のエンディングムービーは単純再生ですよね?

山崎: ええとですね、最終的には単純再生になってしまったんですが、本当は「シームレス分岐再生(※2)」にしていたんですよ。それによって、毎回、エンディングを見るたびに違うムービーが再生されるようにしていたんです。

それでもう出来上がっていて組み込むだけになっていたのですが、スタッフロールの人物の数がズレてしまってどうしてもシームレス分岐再生が出来なくなってしまい、やむをえず単純再生に切り替えたんです。かなり長い曲に合わせてシーン切り替えをしていたので、どうしてもタイミングを合わせることが難しくなってしまったんですよね。残念ですけど。

(※2)シームレス分岐再生: Sofdecの一機能。複数のムービーファイルを継ぎ目無くスムーズに繋げながら再生することが可能に。ユーザからの入力や状況に応じて、次に再生するムービーを変化させることが出来る。

押見: エンディングってやっかいな存在ですよね。結構、最後の最後まで確定しないものなので、ムービーにしづらいですよね。

上山: 直前になって変更というのは、よくあることですね。

押見: それにしても同じSofdecでも、こういう使い方をされるとは思っていなかったので嬉しいです。これからも新しい機能が出来上がったらぜひ使ってくださいね!

山崎: そうですね、次はぜひ、「Zムービー(※3)」を使わせて頂きたいですね。

(※3)Zムービー: Sofdecの一機能。ムービーの1ピクセルごとにZ値(奥行き情報)を与え、立体感のあるムービーを実現。ムービーとポリゴンとの自然な融合を可能に。デモ例はこちら

上山: そうそう、「Zムービー」すごくやりたいと思っているんですよ! どこかで使ってやろう、って思っているんですけど、現時点では、うまくウチのゲーム開発案件と合わないんですよね。

山崎: 研究の時間が取れると、いろいろと試してみたいことがあるんですけど…。

上山: どうしても、売らなきゃいけない目先のタイトルの優先度が上がってしまうので、難しいんですよね。でも、ぜひ今後は考えてみたいと思っています。

押見: 弊社としても、はやく「Zムービー」の採用例がほしいんですよね。まだ若干、敷居が高い部分があるので、ぜひそういう点ではご相談に乗りますので…。

上山: ぜひ、お願いします。ウチのある部署も「Zムービー」にすごく興味もっているみたいですよ。我々もそうですが、技術者なら興味津々な機能ですからね。

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