導入事例

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テクモ株式会社インタビュー
『DOA』は娘のような存在。
信頼できるミドルウェア以外は使用しない。

プラットフォーム

Xbox

導入製品

CRI ADX / CRI Sofdec / CRI Movie Encode

2003年5月29日インタビュー

リアルタイムデモとムービーシーンの見分けがつかない。これが、ムービーコーデックのあるべき姿。

司会: 「CRI ADX」「CRI Sofdec」「CRI Clipper」それぞれを使用した感想を教えて下さい。

板垣: やっぱりADXはすごく良いよね。マルチストリームの技術ってあんまり無いし。ADXを使えば開発はすごくラクだよ。『ニセADX』を作ってひどい苦労をしたオレが言うんだから間違いない(笑)!

松下: 確かに説得力がありますね(笑)。Sofdecについてはどうですか?

板垣: Sofdecは、やっぱり『VI』が動いたっていうのが大きいよね。あれから、性能もどんどん上がっているらしいけど…。

松下: 上がってますよ! ほら、最新作『DOAX』のムービーだって、YUV420(※1)でインタレース(※2)で動いていますよね? これって、とても不思議なことなんですよ。何気なく見ていますけど、「どうしてこれ、MPEG1で出てるの?」って(笑)。これも、『VI』の時のノウハウとかが凝縮されているんです。さらに次は、YUV422(※1)っていう次の目標も見えてきてますので、さらにグレードアップしますよ。

(※1)YUV420/YUV422: 画像中の各ピクセルの色情報を表現するためのカラーフォーマットの種類。Yは輝度信号、UVは色差信号を表す。なお、YUV422はYUV420に比べて2倍の色差信号を持つ。
(※2)インタレース: 現行のNTSC放送で採用されている画像スキャン方式。1/60秒ごとに偶数ラインと奇数ラインを交互に表示する。

板垣: ゲームのためのムービーコーデックって、まだまだ、やるべきことがたくさんあるよね。

松下: そうですね。実は、Dreamcast時代には、「もう、ムービーコーデックは、行き着くところまで来たな」って思っていたんです。でも、まだいろいろとやらなきゃいけないことがたくさんあるということを気付かせてくれたのが、Team NINJA、そして板垣さんだったんですよね。本当に感謝しています。

板垣: いえいえ。Sofdecって、ゲームプレイ画面をキャプチャしてムービーにしても、実際にリアルタイムでプレイしている映像とほぼ同質のクオリティで再生できるじゃない? これって、大変なことだよね。あと、ドルビーデジタル5.1chがサポートされているのも大きいね。

松下: ドルビーデジタル5.1ch対応については、まだちょっとシステマチックになっていないので、これからやらなければいけないことの一つなんです。Team NINJAカスタムみたいな感じで対応させて頂いてまして…。あの時、「ドルビーデジタル5.1ch対応じゃなきゃ使わないよ!」って板垣さんに言われちゃって、これは困ったと思いました。そんな時、ちょうどウチのADX開発チームが「AIX」(※3)っていう新機能の開発に成功して、ADXストリームをインターリーブすることが可能になったので、それならそこに5.1chのそれぞれのデータを格納してみたら、という話になって実現したんです。

(※3)AIX: Interleaved ADXの略。マルチストリーム再生とは対照的に、複数の音声データを1つのファイルにまとめて再生する方式。

板垣: へぇ~。

松下: あの当時は、「Team NINJAの『VI』を完全に再現しなきゃ」というのと「ドルビーデジタル5.1chに対応しなきゃ」という、2つの難しい問題を同時に抱えていてたんですよ。それで、あまりにも厳しい状況だったので、板垣さんに泣いて頼んだんですよね。「どちらかだけを実現するとしたら、どっちですか?」って。そしたら「画像が99%で音は1%ぐらいの割合だ」っていわれて。それなら、じゃあ、5.1chの方はナシの方向でOKだなぁ、って勝手に思い込んでいたんです。でも、ひょっとしたら実現できるかもしれないので、「一応5.1ch対応の音データだけもらえますか?」ってお願いしたら、「5.1chデータの作成は大変だから、やれるかどうかわからないのに作れないよ」って言われたんです。これは、もう、いよいよ5.1ch対応はしなくて済むな、と内心安心していたんです。
そしたら、ある日、ウチのXboxミドルウェア開発スタッフがチームニンジャの『VI』の 5.1chデータをいじってるじゃないですか。「どうしたの?」って聞いたら、「テクモさんから送ってきたんです。」って言うじゃないですか。もうビックリ! そこでドルビーデジタル5.1chの再生環境もアナライザーも無いから、上司をだましてこっそり緊急購入して…(笑)。

板垣: ウチと付き合うと、足がでちゃいますね(笑)。

松下: 本当ですよ(笑)! でも、それでも進行が厳しかったので、北米版には間に合わないから、日本版だけは5.1chに対応しよう、そういう話でまとまっていたのですが…。それなのに、なぜか、北米版でも対応しちゃいましたね、いやぁ、不思議だなぁ(笑)。

板垣: おかげさまで、うちの『VI』の迫力も、すごいものになりましたよ。「どかぁあああん!!」って。ウチはどうしても、より良いモノにしようとギリギリまで粘っちゃうから。

松下: そういえば、私、『DOA3』のムービーエンコードも想像を絶するスケジュールで作業していたような気がするのですが…。納品期限が朝の3時だったりして。何で、朝の3時に納品なんだ、みたいな感じでしたよ(笑)。
つい最近の『DOAX』のムービーのエンコードのお仕事のときも、いきなり板垣さんから電話がかかってきて「御社は土日はお休みですか? やってますか?」って聞いてきましたよね。「土日はやってますか?」って聞かれたら、いったいどう答えれば良いんでしょう(笑)? その時は、「会社としてはやってません!」って答えましたっけ。意地でも「やってます」って言わないでおこう、って思ってました(笑)。そしたら、テクモの別の方からも「土日はどうされるんでしょうか?」なんて聞かれまして…。結局、土日で頑張って作って納品しましたけどね。

板垣: 松下さんを困らせるような、試練の注文ばかりで申し訳ない、と心の中では感謝してるんですよ(笑)。

松下: (笑)。でも確かに、そういう挑戦意欲を掻き立てる注文が原動力となって、ウチの技術も磨かれていっているんですよね。「よし、やったろう」って。

板垣: そういってもらえると嬉しいね。いつも仕事がアツいよね。本当にアツい。技術的にも内容的にも、一歩も引くところが無いからね。

司会: Clipperについてはいかがでしたか?

板垣: Clipperも使って良かったよ。「口パク」って昔は手付けでやってたけど、とんでもなく面倒くさい作業なんだよね。品質をあげるのに時間がかかる割には、品質が低いとすぐに見破られてしまう。ほら、どんな人でも毎日のように人と会話しているわけだし、口の動きって、人間の動きのなかでもいちばん見慣れているものであるわけ。だけど今はClipperがある程度の品質まで自動で持っていってくれるから、とてもラク。

松下: 使いやすかったですか?

板垣: そうですね。でも、Clipperを使ったからといって100%完璧な口パクができるわけではない。Clipperでだいたい6合目ぐらいまでは自動的に登ってきてくれる。そこから先はスタッフが頑張る。この6合目まで来てくれるのが本当にありがたいんだよね。

※Dolby、ドルビー及びダブルD記号は、ドルビーラボラトリーズの商標です。

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