改良廉価版からのADX導入でユーザビリティを向上した『eb!コレ エビコレ+キミキス』
開発者インタビュー
プラットフォーム
導入製品
CRI ADX
株式会社エンターブレイン
坂本 俊博 氏(プロデューサー)
「キミキス」オリジナル版ではディレクションを担当し、『エビコレ+キミキス』では企画からの立ち上げを担当。当初は多少の修正を加えたベスト版として発売する予定だったが、ファンの要望に積極的に応えたいという想いから、追加機能の搭載や操作性の向上などを盛り込んだ『エビコレ+キミキス』として発売。
石川 誠 氏(メインプログラマー)
「キミキス」オリジナル版から一貫してプログラムを担当。プレイステーションやセガサターン時代からさまざまなゲーム開発に携わり、「CRI ADX」や「CRI Sofdec」の存在はその頃から知っていたが、実際に使うのは今回が初めてとのこと。
赤坂 正義 氏(デバッグ管理)
『エビコレ+キミキス』から開発に参加。オリジナル版では主にデバッグを担当したが、今回は品質面の管理を担当。
PlayStation®2用『eb!コレ エビコレ+キミキス』は、2006年5月に発売されたオリジナル版「キミキス」のファンからの声に応えた、「改良廉価版」という位置づけのタイトルです。同タイトルは、「キミキス」で要望の多かった追加要素をふんだんに盛り込んでいます。
一般的に廉価版は、オリジナル版とまったく同じものを低価格で再販売するというスタイルです。しかし今回の『エビコレ+キミキス』は従来の廉価版とは一線を画し、ゲームの土台となるコアなシステム部分からの見直しを行い、改良廉価版としてリリースしたそうです。
『エビコレ+キミキス』では「CRI ADX」が導入され、ストリーミングやデータの裏読み、音声圧縮と音声再生といった点を支えています。そこで、『エビコレ+キミキス』がどのように開発されたのか、エンターブレイン社に伺って聞いてきました。
———今回、改良廉価版から「CRI ADX」をご採用いただいた珍しいケースなのですが、導入のきっかけはどのような理由だったのでしょうか?
石川: オリジナル版では、ファイルシステム部分はすでに手元にあったコードを参考に作っていました。ただ、パフォーマンスが出なかったり、複数音声の再生やファイルへの同時アクセスができなかったりといった点に悩んでいました。ゲーム中にウェイトが掛かるといった、ユーザビリティが下がってしまうような問題が実際に起きており、改善が必要でした。
そこで、このような問題点を解決するために「ADX」を使ってみようということになりました。ハードウェアを直接叩くライブラリ(ミドルウェア)というものは、枯れた(=バグが収束して安定した)技術の方が良いと思ったからです。その点で、「ADX」はセガサターン時代から存在を知っていたミドルウェアだったので安心して使えました。
実際に組み込んだところ問題もなく、パフォーマンスも向上しゲームのレスポンスも良くなったので、正しい選択でしたね。
「ADX」の導入でゲームのレスポンスや
読み込み速度を改善
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