導入事例

初音ミク -Project DIVA- イメージ画像

ミク好きが作ったミク好きのための『初音ミク -Project DIVA-』開発秘話

プラットフォーム

PSP

導入製品

CRI ADX

2009年7月2日インタビュー
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———今回はオーディオミドルウェアとして「CRI ADX(※)」を採用したということですが、きっかけは何だったのでしょうか?

ADXを使いたいという要望が開発側からありました。ADXを既に利用したことがありましたので、慣れていた部分もあります。サウンドのみならず、ファイル管理まで行えるので使い勝手も非常に良いです。過去に利用して開発効率が良くなった事例がありましたので、すんなり導入が決まりました。

CRI ADX・・・CRI・ミドルウェアが提供する、高音質マルチストリーム音声再生システム。オーディオの再生だけでなく、ファイル管理も行うことができる。約15年間に渡りゲーム開発を影で支えているミドルウェア。

———どのような箇所にADXを利用されましたか?

サウンド関連では、BGMのストリーミング再生、SEなどのワンショットの効果音の再生、リズムゲーム中の楽曲再生に使用しています。

ゲーム中でミクが歌う箇所はちょっと変わった面白い処理をしていて、カラオケのトラックとボーカルのトラックを分けて管理しています。通常はカラオケ、ボーカルと2本のストリーミング音声を流しているのですが、ミスをするとボーカルの音量がゼロになり、ミクが歌わなくなってしまう、という演出を入れています。

———ADXでは2本の音声ストリームを同期再生しながら、それぞれのボリュームをオン/オフできるのですが、それをうまく応用したのですね

企画の段階から「ミクを歌わせるゲームにしたい」という考えがあって、逆に言えば、失敗すると歌わなくなる演出をどうしようかと考えていました。色々案はあって、失敗するとリアルタイムに音程を変えたり、キーを変えたりと色々考えました。ただ、そういう操作をすると、曲として聴き辛いものになってしまいます。ならば、ボーカルを消して歌うのをやめてしまうということにしようと。それはADXを使うことで簡単に実現できました。試みとしては面白いと思ったのですが、意外にも気づいてくれる人が少なくて…(笑)皆さん、すぐに上達してしまうんですよね。

———エディットモードでエディット中に途中から楽曲を再生する機能は便利ですよね

そうですね。小節毎にエディットしている時に「今作ったところだけ聴きたい」という途中再生にもADXが役立ちました。波形編集ソフトなどでは「マーカー」と呼ばれる区切りの印を音声データに複数入れられるのですが、ADXでは特定のマーカーから再生することができるので活用しています。最初はテストプレイをしないと曲が聴けない仕様になっていました。すると、一つの曲を完成させるまでには何度も同じ箇所が聴きたいのに、その都度、一番最初から再生・・・ということになってしまいます。しかも、後半部分を聴きたいのに、最初からずっと聴いて、ようやく目的の位置に辿り着いて、「ここを変えよう」となるとちょっと大変過ぎるので、途中再生機能を入れました。

エディットでゲームの楽しさは何倍にも

———ロード時間の面では工夫したところはありますか?

沢山のイラストがありましたので、読み込み時にはそれを表示して飽きさせない工夫も入れています。表示されるイラストデータはランダムに選ばれるようになっていて、で、ここで表示されたイラストはアルバムに追加されていくので、コレクションという別の楽しみにもなるのではないでしょうか。もちろんロード時間についてもなるべく短くなるように、ファイル配置などをいろいろと試行錯誤しました。今回、メモリースティックへのデータインストールは使っていません。ロード時間自体は短いとは言いませんが、お客さんに叱られない範囲にはなったかなと思います。

———続編を望む声もあるようですが

ありがたいお話ですね。色々なお客さんに遊んでいただいているようで、「初めて初音ミクを知って、聴いているうちに大好きになった」というような声も聞いています。「初音ミク」という素晴らしいキャラクターを使わせていただくことができて、このゲームがきっかけになって更に「初音ミク」が盛り上がっていくことになれば本当に嬉しいですね。また、それが上手く次に繋がれば更に嬉しいといったところでしょうか。

———ありがとうございます。では最後にユーザさんとゲーム開発者の方に一言ずついただけないでしょうか? まずはユーザさんに。

ぜひ買って下さい(笑)。

「初音ミク」は知らない方にはなかなか説明するのが難しいのですが、ほんとうに素晴らしい曲が沢山あります。そのうちのごく一部ですが、『初音ミク -Project DIVA-』にも良い曲を多数収録しているので、純粋に曲を聴くだけでも楽しんでいただけると思います。ゲームとしても誰でも楽しめる内容になっていますので、ぜひ触ってみてください。

———ゲーム開発者の方にも一言お願いできますか?

・・・早く家に帰りましょう(笑)。色々と大変ですが、根を詰めず、死なない程度に頑張っていきましょう。

———どうもありがとうございました!

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※当ページでは、ゲームニュース&コミュニティサイトiNSIDEにて掲載された記事をご紹介しています。

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