PS Vitaだから実現したF2Pゲーム『ピコットナイト』のミドルウェア活用法とは?
プラットフォーム
導入製品
CRI ADX2
ゲームアーツ
鈴木 健 氏(ディレクター)
主にゲームアーツの家庭用タイトルにプランナーとして携わる。
澤田 朗 氏(メインプログラマー)
サウンド周りの組み込みも担当。
伊良波 穣 氏(サウンドクリエイター)
古くからゲームアーツタイトルのサウンドスタッフとして活躍。
聞き手
土本 学(イード インサイド編集長)
CRI・ミドルウェア
PCオンラインゲームからソーシャルゲーム、そして今や家庭用ゲームへと拡大を続けるF2P(Free to Play=基本プレイ無料・アイテム課金)ゲーム。中でもPlayStation®VitaはF2Pゲームを公式にサポートしている、数少ない家庭用ゲーム機となっています。
本作のサウンド部分を下支えしたのが、CRI・ミドルウェアのオーディオシステム『CRI ADX2』です。ガンホー・オンライン・エンターテイメントのグループ会社で実際に開発を担当した株式会社ゲームアーツの「team Gajet(チームガジェット)」のメンバーに、開発現場での使い勝手などについて伺いました。
———ゲームの概要について教えてください。
鈴木: オンライン専用のアクションRPGです。見た目はオーソドックスな横スクロールアクションですね。最大の特徴はリアルタイムで4人まで遊べることと、友達のキャラクターをNPCとして使えることです。NPCとして参戦する時は、活躍に応じてミッション報酬をお裾分けできます。つまり、自分がゲームを起動していなくても、その間に友達が自分のキャラクターのNPCを使ってくれれば、ゲームにログインする度に報酬がもらえるわけです。
———なるほど。ログアウトしている時も、常に自分のキャラクターが活躍しているわけですね。
鈴木: グラフィックも特徴的で、キャラクターのバリエーションも2千種類くらいあり、他にないようなデザインになっています。またRPGなのでレベルアップをしたり、アイテムを集めたり、武器合成などの要素もひととおり揃っていて、やり込み要素も充実しています。ミッション配信やキャラクター追加なども適宜行っており、長く遊べるよう心掛けています。ゲームの中身もキャラクターの見た目どおりで、いわゆる「ガチャプレイ」でも楽しめるようになっているんですよ。しばらくゲームから離れている人でも、わりと手軽に遊んでいただけるかと思います。
■無課金でもとことん遊べるように作り込んだ
———『ピコットナイト』というタイトルは、どこから決まったんですか?
鈴木: ゴロがいいし、小さくて可愛いキャラクターがいっぱい出てくるゲームということで、紆余曲折して『ピコットナイト』となりました。『ピコットハンター』なんてアイディアもありましたね。
———企画自体はPS Vitaを見て立てられましたか?
鈴木: いえ、もともと機種を明確にせずに、F2Pゲームの企画を研究していたんです。もっと軽い内容だったんですが、そこにコンシューマゲームのノリを加えてみました。そんな中でPS Vitaが登場してきて、いよいよこれはいけると。2011年のはじめににプロトタイプを作っていて、その後で本開発が始まりまして。開発期間は1年強でしょうか。
———F2Pと聞くとスマートフォンを思い浮かべますが、スマートフォンと家庭用ゲームでの違いは考慮されましたか?
鈴木: やはりスマホとPS Vitaではユーザーが違いますよね。PS Vitaユーザーはゲーム好きが多いと思いましたので、「ここから先は課金しなければ遊べませんよ」といった要素を排除して、ゲームの根幹部分はすべて無料で遊べるようにしたんです。なにしろ作っているのがガンホーのグループ会社であるゲームアーツのメンバーが中心ですから、昔ながらのゲームが好きなんですよね。結果「無料だからこのクオリティ」ではなくて、それこそフルプライスのパッケージゲームでも良いくらいに作りました。
———とはいえオンラインゲームなので、一日で全てクリアされては困りますよね?
鈴木: そうですね。そこは難易度を増やしてバリエーションを広げたり、キャラクターを増やしたりと、いろんな遊びを入れました。それでも、これは嬉しい誤算だったのですが、皆さん思った以上にガッツリと遊んでもらえて、想定よりも早くレベルキャップに到達しちゃったんです。僕らは今までコンシューマを中心に開発してきたこともあって、そこは計算が甘かったところです。
———追加コンテンツはどうなっていますか?
鈴木: 随時アップデートしていて、キャラクターやミッションの追加だったり、システム改善などを行っています。2013年も定期的なアップデートはしていくつもりです。ユーザーさんの声も反映させていきますので、ぜひ公式サイトからご要望を送ってください。
———開発規模はどれくらいでしたか?
鈴木: 初期リリースまでは15人弱くらいのチームで、それに加えてサーバーエンジニアさんとテスターさんがいます。プログラマは大きくサーバ担当、バトル担当、メニュー担当が1人ずついて、グラフィッカーは4人ですね。リリース後も基本的にはそのままで、追加コンテンツなどの仕事をしています。実はリリース後の運営フェーズに入ってからの方が、プランナーの作業が増えているんですよ。そのため人も増やしています。
———家庭用ゲーム機でF2Pゲームをリリースされた感触はいかがですか?
鈴木: コンシューマ機ではあまりない形態のゲームだったので、最初は不安でしたが、リリースすると意外とすんなり受け入れられたのでありがたかったです。こういった基本無料のゲームは、スマホで慣れた人も多いんじゃないでしょうか。コンテンツに満足いただけて、「もっといっぱい遊びたい!」という方のみが課金をする、という。
———「ピコットナイト」での課金要素はどういったところなんでしょう?
鈴木: たとえばイベントミッションで、死んだときのコンティニューであるとか、特定イベントでしか入手できない宝箱の鍵を入手するだとか。ゲームをがっつり遊んでいる人が、さらに深く楽しみたくて課金してくれているイメージでしょうか。
■ミドルウェア採用の決め手は安定動作とツールの完成度の高さ
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2021年1月20日(水)~1月22日(金)
2020年12月15日(火)
「Aeropoint GUI for RX」New Featureオンラインセミナー(ルネサス エレクトロニクス主催)2020年12月開催
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