ドルビー日本支社インタビュー
ゲームに迫力と臨場感を与える立体音響テクノロジー
ゲーム開発におけるドルビーとミドルウェアの役割に迫る
プラットフォーム
導入製品
司会: 今後、CRIのミドルウェアやツールに期待することや、要望について教えて下さい。
ジョン: そうですねぇ、いま一番欲しいのは、サウンドデザイナーにとって使いやすいオーサリングツールですね。
押見: オーサリングツール?
ジョン: はい。ゲームの音作りというのは、まずサウンドデザイナーが効果音を作ってそれをサウンドプログラマーへ渡し、サウンドプログラマーはそれを加工して鳴るようにする、という流れが一般的だと思います。でも、これは効率的ではありません。サウンドデザイナー自身が細かい調整やカスタマイズをすることができるGUIに優れたツールがあれば、ゲーム音楽やSEといったものは、もっと良いものになっていくと思います。例えば、カーレースゲームにおけるエンジン音のようなものはプログラマー無しではなかなか作れないものですが、ツールによってサウンドデザイナーだけで作れるのがベストだと思います。
押見: 実はですね…、CRIでは、今おっしゃったようなことを実現するミドルウェアを、まさにリリースしようとしているんですよ!
ジョン: 本当ですか!?
押見: はい。「Sound Factory」という名前で近日リリースを予定しています。まさしく話に出てきましたエンジン音や大衆の歓声といったものは、「Sound Factory」がもっとも得意とする題材なんです。
ジョン: それは楽しみですね。おそらく、現在もどかしい思いをしている多くのサウンドデザイナーが救われると思います。ぜひ、一日も早くリリースして欲しいですね。
糸川: あとは、ドルビーが有しているノウハウを活かしたツールがあるといいなぁ、と思っています。というのも、最近、開発途中のゲームを預かってサウンドを検証し、そのサウンドMIXについてレポートを提出するという機会が増えているのですが、その際のアドバイスやノウハウといったものを一般化したいなぁ、と。
ジョン: 我々がよく直面するのが、あまりにも大きな「足音」のせいで、その他の音が上手くサラウンドに回らなくなってしまうという問題です。
押見: きっと、そのサウンドデザイナーは、制作の過程で、その「足音」単音しか聞けない環境にあるからでしょうね。足音以外の音は、ゲームになって初めて聞くことができるので、そういうことが起きてしまうのだと思います。
糸川: そうした問題がうまく回避できるような環境を用意できればいいのですが…。
押見: それには、サウンドデザイナーが、足音だけでなくその他の音も加わったときにどのように聞こえるかをプレビューできるツールと環境が必要になりますね。
ジョン: さらにもう一点、これは演出上の新しいアプローチなのですが…
押見: はい?
ジョン: 現在、主流のサラウンドMIXは、音源が右にあるから右から聞こえる、左後ろにあるから左後ろから聞こえる、というような現実的アプローチが主流になっています。これはこれで良いのですが、今後はもっとゲーマーの感情や心理に訴えかけるエモーショナルなMIXやエフェクトが試されていくといいと思います。例えば、主人公が壁に思いっきりぶつかってしまったら、全ての音がぼやけて聞こえたり、音がグルグルと回って聞こえたりするような手法です。
押見: なるほど、それは面白いですね!
ジョン: ツールでは現実的なパンニングばかりではなく、そうしたエモーショナルなものも取り入れていって欲しいと思います。
押見: 分かりました。いろいろと参考になりました。今後のミドルウェアやツールの開発に役立てていきたいと思います。
司会: 本日は長時間にわたり、本当にありがとうございました。
ジョン: こちらこそ、これからも宜しくお願いします。お互い協力して、より良いゲームソフトが世の中に増えていくよう、頑張りましょう!
CRI一同:
ぜひ、宜しくお願いします。
グリフィンさん、糸川さん、ご協力ありがとうございました。
Dolby Japan株式会社
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