導入事例

ペルソナ3ポータブル イメージ画像

据え置き機から携帯ゲーム機へ~追加要素満載でリメイクされた『ペルソナ3ポータブル』開発陣に聞く

プラットフォーム

PSP

導入製品

ファイルマジックPRO / CRI ADX

2009年11月11日インタビュー
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参加者プロフィール

アトラス

薄田 無門 氏(ディレクター)

ディレクター。現場進行とデザイン面を担当。『真・女神転生III-NOCTURNE』や『DIGITAL DEVIL SAGA ~アバタール・チューナー~』などに携わり、『ペルソナ3』『ペルソナ4』ではイベント制作を担当。

目黒 将司 氏(コンポーザー)

コンポーザー。作曲を担当。『ペルソナ3ポータブル』制作にあたり8曲の新曲を提供。

三輪 喜由 氏(メインプログラマー)

メインプログラマー。「ファイルマジックPRO」の実装やPSP移植にあたりチューニング面も担当。

土屋 憲一 氏(サウンド)

効果音のコンバートや効果音データの管理、メモリ配分などを行う。『女神異聞録ペルソナ』からシリーズに携わる。

橋野 桂 氏(プロデューサー)

本作のプロデューサー。過去に『ペルソナ3』、『ペルソナ4』、『真・女神転生III-NOCTURNE』など数多くの作品のディレクションを手がける。
※取材当日は残念ながらご都合により参加できず、後日書面でのインタビューとなりました。

アトラスよりプレイステーション・ポータブル向けに発売された『ペルソナ3ポータブル』は、2006年にプレイステーション2で発売された『ペルソナ3』をPSPに移植し、様々な要素を加えた作品です。据え置き機で高評価を受けたタイトルをどう携帯機向けに再デザインすれば、既存ユーザを満足させながら、新たなユーザを獲得できるゲームにすることができるのか。DEVELOPER'S TALKの最新号では、多くの苦労があった『ペルソナ3ポータブル』開発陣にお話を伺いました。

『ペルソナ3』がPSPになって蘇った

———まず『ペルソナ3ポータブル』というシリーズの概要を聞かせていただけないでしょうか?

橋野氏

橋野: ペルソナシリーズは、学園を舞台にしたジュブナイルを描くRPGで、「ペルソナ3(P3)」は、本格的なRPG要素と一年間の学園生活を融合した、新しい感覚のRPGとして2006年にPS2用ソフトで発売され、多くのお客様から高い支持を頂いた作品です。そのペルソナ3に新規要素を追加した「ペルソナ3フェス」の本編をベースに、携帯機向きにアレンジした作品が「ペルソナ3ポータブル(P3P)」です。戦闘などのシステムは、シリーズ最新作の『ペルソナ4(P4)』のものを採用しており、より遊びやすく進化させているのが特徴です。アレンジした点として、注目してほしいポイントは、まず、展開のテンポのよさですね。元が同じゲームでも、テンポが違うと印象も大きく変わるもので、それが『P3P』の大きな特徴になっています。次にシステムのアップデート。システムが好評だった『P4』に準拠する形になっているので、元の『P3』や『P4』と比べながらプレイしてみるのも面白いかと思います。あとは、携帯機のRPGとしてはかなり喋るゲームだと思うので、声優さんの演技などにも注目してほしいですね。そして、「P3P」だけの大きな追加要素として、主人公の性別の選択が可能になっている点にも注目してください。

———ペルソナシリーズにおいて、本作の位置づけはどのようなものでしょうか?

橋野: 『P3』をPSPという携帯ハードで発売することで、『ペルソナ』シリーズの新たなファン層を更に増やせればという考えもあって制作したものです。初めてシリーズに触ってもらえる機会として、手軽に遊べる携帯ゲーム機への移植を行いました。また、ゲーム進行のテンポアップや、システムのバージョンアップ、選べる主人公の性別など、数々の「遊びやすい」要素を導入しましたので、幅広いユーザの方に、まずは触れていただければと思っています。

———発売から少し時間が経ちましたが、手応えとしてはいかがでしょうか?

薄田氏

薄田: 売上は順調で、期待以上に多くの皆さんに手に取っていただけたと感じています。加えて、ネットの書き込みやアンケートを見ていると、新規のユーザさんにも多く遊んでいただいているようです。今回は、新規ユーザさんや『ペルソナ4』はプレイしたけど『3』をやっていなかった方、また女性ユーザの方などを意識していたので、その意味では確かな手応えを感じているところです。 最近は携帯ゲーム機しか遊ばないという方も増えているようです。そういったライトユーザさんたちにも受け入れてもらえるように、ハードとして勢いのあるPSPで作ってみよう、というのが発端ですね。

———PS2版を遊んだユーザだけではなく新規ユーザにも応えるために単純な移植ではないということでしょうか?

薄田: はい。大きな追加要素としては女性主人公の追加が挙げられます。これは特に新規ユーザさん向けというわけではなくて、以前から男女を選びたいという要望があって、今回の目玉として入れました。もちろん『ペルソナ3』を初めて遊ぶ女性の方にも選んでいただきたいですね。それから、目黒にお願いした新曲も入っています。やはり女性主人公になっても曲が一緒ではつまらないですからね。

薄田: それから、単純移植ではなく、『4』のシステムの良い部分やユーザさんからの意見もたくさん反映しています。移動する際にショートカットボタンで目的の場所に飛べたり、バトルで仲間に指示を出せるようになっていたりと、全体的に遊びやすくチューニングしています。難易度もPS2版は3段階だったのですが、上下に2段階追加して計5段階になっています。

———携帯ゲーム機ならではの遊びやすさという点ではどんな部分に気をつけましたか?

薄田: やはり携帯機ですと細切れの時間で遊ぶことが多いと思いますので、テンポの良さを特に意識しています。据え置き機と比べるとどうしてもレスポンスが遅くなってしまうという心配があったので、日常生活のフィールド部分を2Dにしたり、メッセージを△ボタンで高速スキップができるなど、テンポアップの工夫を随所に入れて快適にプレイできるようにしています。また、セーブポイントも増やしていて、手軽にやり直せるようにしています。

———やりこみ要素も追加されていると聞いています

薄田: 「ヴィジョンクエスト」を新たなやりこみ要素として追加しています。これはストーリーとは関係ない独立したバトル問題で、様々な問題に挑戦できます。また、指定された条件で過去に戦ったボスに挑戦することもでき、かなり歯応えがあると思います。『ペルソナ4』に出てきたマーガレットが案内人として登場します。

———これは既存ユーザが嬉しいポイントですね

薄田: 『ペルソナ4』を遊ばれた人がニヤリとするポイントとしては、女性主人公の場合、夏休みの合宿で雪子が登場します。『3』は『4』の2年前のエピソードなので、ちょっと幼い感じになっています。ちなみにBGMも『4』のものが流れます。あと、なぜか屋久島の海岸に柏木という教師が登場します。小ネタとして、以前のキャラクターなどを入れながら既存ユーザの方にも喜んでもらおうと思って作りました。

■楽曲も特徴的なペルソナシリーズ

———新曲のコンセプトはどんなものだったのですか?

目黒氏

目黒: 今回はやはり女性主人公のための曲だったので、薄田からは「女性目線のポップで明るく希望がある前向きな曲調」というリクエストを貰っていました。それに加えて自分なりの女性らしさ、やわらかさや女性特有の雰囲気みたいなものを入れて作りました。『ペルソナ3ポータブル』の開発にあたって8曲の新曲を書きおろしました。それでも8曲は少ないと思っているのですが・・・。

———ゲーム全体としては何曲くらい収録されているのでしょうか?

目黒: BGMや環境音を含めて70曲くらいでしょうか。音楽に関しては薄田のこだわりが一番強い部分でしたね。

薄田: 自分は『ペルソナ3』で一番評価をいただいたのは音楽とインタフェース部分だと思っていて、そこに関しては妥協したくなかったんです。目黒は『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』で忙しい時期だったのですが、無理を言って新曲をお願いしました。

———『ペルソナ3ポータブル』のサントラも発売されましたね

目黒: 今回の新曲は8曲だけで、サントラのマスタリング直前になって、ちょっと少なすぎるということに気づきまして・・・(笑)。さすがに申し訳ないので、ボーナストラックとして2曲作りました。こちらはサントラでしか聴けない曲になっています。また、オープニングもフルバージョンとボーカル曲のアレンジ版も入っています。プレイしてみて曲を気に入ったという方はぜひ買って欲しいです。

ペルソナ3ポータブルオリジナルサウンドトラック

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