最新技術で温故知新・・・開発者の思い入れが詰まった「ハルヒ」の集大成『涼宮ハルヒの追想』
プラットフォーム
導入製品
CRI ADX2 / CRI Sofdec2
———今回はPS3、PSP版でCRIのサウンド用ミドルウェア「CRI ADX2」、PS3版でムービー用ミドルウェア「CRI Sofdec2」をご採用いただいていますね。(CRI)
小林:もともと「ADX」は過去のPSPタイトルで使っていて、慣れていましたし、今回はPS3での開発が初めてで、さらに新しいチャレンジに取り組みたかったので、できるだけ不安材料を減らしたいと思っていました。実は自分でも過去に音声ミドルウェアを作って、かなりトラブルに遭遇した経験があったので、使わない理由がない。そこで、せっかくだから「ADX2」にしようと。———実は「ADX2」の開発段階から「次のゲームで使いたい」とお声がけをいただいた経緯がありましたね。それで開発チームの意気が改めて上がった部分がありました。(CRI)
小林:フェードイン・フェードアウトや、ボイスハイライト機能の「リアクト」(※)など、こちらの要望を受け入れて、必要な機能を先に実装していただけたりもしましたね。おかげで助かりました。ただし、実際の活用では音を途切れずに、綺麗な音質で鳴らすなど、基本的な機能に留まってしまいました。「2」にはいろいろ、おもしろい機能が実装されているのに、使い切ることができなかったんですよ。次回はぜひ挑戦してみたいですね。———ADX2のどういった部分を魅力的と感じましたか?(CRI)
小林:いろいろありますが、リアルタイムミキサーは可能性がありますね。音楽家さんもおもしろがっていました。ただし、あの機能を使いこなすには、サウンドパートとの協力が必要になります。ただ今作ではPS3版とPSP版との間で仕様面での互換性を重要視しましたので、歩調を合わせる意味でも挑戦しませんでしたが、今後は考えていきたいですね。———「ADX2」では新たに「HCA」という高圧縮の独自コーデックが追加されたのですが、ご活用いただけましたか?(CRI)
澤坂:はい、圧縮率がとても高いので助かりました。音声ファイルでは44.1kHzで録音したマスターデータを、いちどモノラル、22kHz、16ビットのwavファイルに変換して、そこから実機用データに変換しています。いろいろ検証した結果、今回はその仕様が最適となりました。———どうぞどうぞ、ぜひお聴かせください。(CRI)
小林:アドベンチャーゲームで、プレイヤーがボイス付きメッセージをスキップできる機能がありますね。あれがなんだか味気なくて。2周目以降では良いのですが、1周目では音声をカセットテープのようにキュルキュル早送りして聞ける、くらいが良いと思うんです。最近ではHDDレコーダーなどで、そうした機能がある製品もありますよね。音声が1.5倍から2倍くらいで早送りできれば、いいんじゃないかなあと。———「ADX2」にも、似たような機能がありますが、セリフのピッチを変えず、かつ聞き取れる速度で早送りするには、1.3~1.5倍程度が限界になってきますね。(CRI)
小林:そこはぜひ今後の改良に期待したいです。また欲を言えば、普通にボタンを押していると、キュルキュルと早送りされて。ぐーっと押していると、ひゅーんひゅーんと早送りが早くなって。ボタンを放すと、パッと元に戻るとか。アドベンチャーゲームも、そうしたユーザビリティを、もっと追求した方がいいと思うんです。もちろんゲームはリアルタイムで素材を読み込んでいるので、けっこう大変だというのは分かるんですが。———そうですね。単純に音声を2倍速で再生することはできますが、そうすると声優さんの持ち味も失われてしまいますからね。今後研究していきたいと思います。(CRI)
小林:余談ですが、今回UIまわりで、トルネが参考になりました。実際、本作のユーザーはトルネの所有率が高いと思うんです。実は開発バージョンを家に持ち帰って、ちゃんとバックグラウンドでトルネを動かしながら遊べるか、チェックしたりもしました。———なるほど。言われてみれば、その通りですね。
小林:他にも、たとえばPS3版ではゲームを初めて起動すると、画面が一枚出てきて、どんな大きさで画面を表示するか設定できるなどは、まさにトルネと同じですね。最初にSCEさんに「トルネのようなUIを作りたい」お伺いを立てたとき「理想ですが、けっこう大変ですよ」と言われて、逆に腹をくくりました。■映像面では「Sofdec2」でフルHDムービーを圧縮
———話が映像面に移ってきたところで、映像関係のミドルウェアについても伺います。PS3版では「Sofdec2」をご採用いただきましたが、採用の理由は何だったのでしょう?(CRI)
小林:「Sofdec」には以前から馴染みがありましたし、「Sofdec2」も良い評判を聞いていました。また、PS3での開発は本作が初めてだということがありました。特にサウンドと違って、グラフィックはパッと見ただけで違いがわかりますからね。しかも本作ではゲーム機ではまだ珍しいフルHDでの開発です。そこで「Sofdec2」を採用することになりました。ところで「Sofdec2」は「Sofdec」とどのような違いがあるのでしょうか?———「Sofdec」と「Sofdec2」では、基本のコーデックはが同じですが、エンコーダの仕組みが変わったり、データフォーマットなどが変わったり、ビットレートのコントロールシステムが加わったりと、ひとつひとつの機能により磨きがかかっており、基礎体力が増しました。(CRI)
小林:また、本作では10分以上のフルHDムービーを収録しています。非常に高いビットレートで再生しているんですが、映像の乱れや音途切れが無かったので助かりました。CGだけでなく、声優インタビューのムービーも、非常に綺麗でしたね。———CRIでは有償でエンコードサービスも提供していますが、今回は自社でエンコードを行っていただきましたね。
小林:エンコードはバンダイナムコゲームスさんにお願いしたんですが、あまりにサクッとできちゃったんですよ。あとはムービーファイルを送ってもらって再生してみたら、あっさり再生できちゃいました。![]() |
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