株式会社CRI・ミドルウェア(本社:東京都港区、取締役COO:野沢隆、以下CRI)は、任天堂株式会社の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS®」専用の高音質サウンド再生システム『救声主™ for NINTENDO DS®』(以下『救声主™』)の提供を開始致します。(『救声主™』は「キュウセイシュ」と読みます。)
ニンテンドーDSは、本年7月にゲーム機史上最短で国内販売台数1千万台を突破、数多くのミリオンセラータイトルを生み出し、豊富なゲームタイトルがさまざまなゲーム会社から発売されております。
ニンテンドーDS向けタイトルの充実化に伴い、より音質にこだわったタイトルや長時間の音声を収録したタイトルの制作を望む声が開発者の方々のあいだで多くなって参りました。ただ、それらの実現にはいくつかのハードルが存在しています。
上記のような点を解決するため、CRIは、新しいミドルウェア製品を開発致しました。
それが、ニンテンドーDSというハードウェアのポテンシャルを最大限に引き出す高音質サウンド再生システム『救声主™』です。
図1.『救声主™』のはたらき(概念図)
『救声主™』第一の特長は、収録可能時間の圧倒的な長さです。
最長9時間もの音声をDS専用カードのROM内に収録できます(512Mbit DS専用カード使用時、表1参照)。従来のADPCMと比較するとADPCMよりも高音質で約3倍の音声を収録できるようになりました。
『救声主™』を使用すれば、音声合成技術に頼らずとも、高音質の音声を大量にゲームに採り入れることができます。
表1.『救声主™』使用時の収録時間
(512MbitのDS専用カード使用の場合)
『救声主™』第二の特長は、音質の良さです。
セリフ再生に特化した独自音声コーデックを採用することにより、データサイズを抑えた場合でも非常に高い音質を維持することに成功しました。当社が10年以上にわたり培ってきた高度なデジタル信号処理技術がここに活かされております。
さらに、デコード(再生)時にもリアルタイムに補間処理を行うことで、ニンテンドーDS特有の金属的なノイズを軽減し、音質劣化の起こりやすい女性の声も忠実にいきいきと再現します。
図2.『救声主™』のリアルタイム補間処理技術
『救声主™』第三の特長は、ROM容量削減によるコストダウン効果です。
『救声主™』は音声データを最高1/10に圧縮、ゲームデータをより小さな容量のDS専用カードに収めることが可能になります。例えば、ゲームデータが 256Mbitを若干超過しているために、やむなく512MbitのDS専用カードを使用しているようなケースでは、『救声主™』を使うことで、256MbitのDS専用カードに切り替えることができます(図3参照)。
これにより、DS専用カードに要する費用を削減し、当該ゲームタイトルの収益性を高めることができるようになります。
図3.『救声主™』導入によるコストダウン効果(例)
また『救声主™』は、BGMや効果音、セリフなどの複数の音声を同時に再生するための「マルチストリーミング再生機能」や、ゲームサウンドには不可欠な「ループ再生機能」、シネマティックな演出を可能にする「フェード再生機能」を搭載しております。
さらに、シンプルで分かりやすいエンコードツールと関数インタフェースにより、『救声主™』導入から実機上で実際に音を再生するまで、初めての方でも30分とかかりません。たった1つの関数で、DS専用カードのROM上の音声データを驚くほど簡単に再生できます。
『救声主™』は、その製品名のとおり、実際のニンテンドーDS向けタイトル開発におけるさまざまな局面で、開発者の皆さまを強力にバックアップ致します。
プログラマーの方は、音質に妥協することなく長時間の音声データを収録できるようになります。
ディレクターやプランナーの方は、データサイズの制約から解放され、セリフなどの音声をふんだんに用いたゲームを企画立案できるようになります。
プロデューサーの方は、『救声主™』の導入により開発効率を向上できるだけでなく、コスト負担の軽い小さな容量のDS専用カードへ切り替えることで、プロジェクトの利益率を高めることが可能になります。
この「3つの手軽さ」こそ、『救声主™ for NINTENDO DS®』の製品ポリシーです。
CRI・ミドルウェアは、多彩なミドルウェア製品群『CRIWARE®』を通じて、開発者の皆さまがコンテンツの中身の創造・制作に専念して頂けるような環境の実現をお約束致します。
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