マイコン+Hブリッジ回路の構成で、音声ICを使わずに(音声ICレス)サウンド出力する組込みマイコン用ミドルウェアが「CRI D-Amp Driver」です。
民生機器(家電やOA 等)・産業機器等のマンマシンインターフェイス(HMI)用マイコンにミドルウェアを搭載するだけで音が加わり、製品の付加価値が高まります。
操作確認や機器動作のお知らせ、エラーの内容などを分かりやすいサウンド(音声)でお知らせすることにより、ユーザービリティーが向上し、製品がより使いやすくなります。
デフォルトで音声OFFになっています。ONにして音声をお聞きください。
【シンプルで低コストな音声再生 】
音声処理をソフトウェアで行うことにより、ハードウェア(音声処理LOGIC、DAC、ローパスフィルタ、アンプ その他)が不要となるため、部品コストを大幅に削減できます。
【圧電ブザー(ピエゾ/PIEZO)で音声ガイドを実現】
従来圧電ブザー(ピエゾ)はブザー音のみでの単調な音表現でしたが、弊社独自技術により豊かな音声再生を実現しました。
■PIEZOでの音声再生デモ
デフォルトで音声OFFになっています。ONにして音声をお聞きください。
1:多彩な音表現が可能
「CRI D-Amp Driver」の弊社特許技術により、圧電ブザーでは実現困難であった多彩な音表現(音声・メロディー)が可能になります。
2:消費電力が少ない
スピーカーに比べ数十分の1の消費電力なので、電池で駆動する製品でも使用できます。
3:過酷な環境でも使用可能
スピーカーでは難しい環境で使用する機器でも、音声出力が可能になります。
1.実装コスト低減と調達のしやすさ
・低コストと調達リスク低減
少ない実装コスト:マイコンに外付けする回路はHブリッジ回路で済むため、部品コストが少なく、代替品の選択肢も多く昨今の半導体・ IC調達問題等の、納期問題での 調達リスクが大幅に下がります。
また、「CRI D-Amp Driver」対応 IC(日清紡マイクロデバイス社製 NA1150)なら、より低フットパターンで少実装面積を実現します。
・実装のしやすさ
実装しやすいソフトウェア:マイコンに実装するソフトウェアは、コンパクトなモジュールになっており、軽い処理負荷のため、性能に制限のある16bitマイコン・低コスト32bitマイコンでも組込みやすくなっています。
2.高効率・低消費電力
差動90%以上の高効率で熱損失もわずかなため、少ない電力で大音量が出せます。また、無音時にはPWM出力がなくなるため、スピーカーの消費電力は0です。
3.高音質・低ノイズ
フラットな周波数特性:アナログ回路が不要なため、フラットな周波数特性の音声出力が得られます。
ノイズ耐性の高さ:差動駆動方式を用いており、スピーカー入力に載ったノイズが除去されるため、ノイズに対する耐性が高くなります。
少メモリに対応した独自の音声圧縮方式(コーデック)について
組込み機器に音声を搭載する場合、限られたROM容量を抑える必要があります。「CRI D-Amp Driver」に備わる、CRI独⾃の圧縮⽅式(特許等の心配がないcodec)は、⾼圧縮の⾳データで⾼⾳質なサウンド再⽣を実現しています。
長年の実績と多くの採用数があり、高圧縮で少メモリながら高音質を実現しています。
・圧縮率の違い・CPU 負荷により、次の2種類の音声圧縮方式をご使用マイコンに合わせ、お選びいただけます。
・他のCODEC(MP3,AAC等)でも WAV ファイルでの引渡しを頂ければ再生可能です。
コーデック | 圧縮率 | CPU負荷率 | 備考 |
---|---|---|---|
ADX | 約1/4 | 約4% | 組込み機器への使用に適しています |
HCA | 1/6~1/12 | 約12% | 大量の音声データを使用する場合に適しています |
※CPU負荷率は96MHzのRXマイコンでの例
極少メモリでメロディーを再生するサウンドジェネレータついて
基本の波形(サンプリング波形)を元に、数KB でメロディ等を出力するサウンドジェネレータ機能も有しています。
1.「CRI D-Amp Driver」を搭載するために必要なマイコンの機能
「CRI D-Amp Driver」はポートのON/OFFにて⾳声出⼒をしますので、汎用ポート ×2ch+PWM タイマー×2chを使⽤します。
(1)PWM出力動作周波数を16MHz以上に設定できること
これ以下の周波数でも、条件によっては対応可能です。詳細はお問い合わせください。
(2)PWM出力が2ch(同期対応)あること
PWM タイマー以外で代替可能な場合もあります。詳細はお問い合わせください。
2.対応確認済みマイコン
以下のマイコンについては、対応済みもしくは対応可能であることを確認したものになります。
Cortex-Mシリーズをはじめとして、これ以外のマイコンも対応が可能ですので、詳細はお問い合わせください。
メーカー | 対応マイコン |
Renesas | RL78, RA, RE, RX, RZ ,RH850, R-Car 78K0, R8C, SH |
Infineon | F² MC-16FX, FR81S, FM0+, FM3, FM4, PSoC , PRoC , Traveo |
TOSHIBA | TZ2100, TXZ3, TXZ4 |
STMicro | STM32 |
NXP | Kinetis, LPC, i.MX |
Microchip | PIC24F, SAM |
NORDIC | nRF52 |
GigaDevice | GD32 |
MindMotion | MM32 |
Telechips | TCC803x |
LAPIS | U16 |
NUVOTON | MN103,N9H30 |
これまで培ったデジタル音声技術をベースに、「フルデジタルアンプ」の技術を新開発
・ガス警報器
ピエゾ対応CRI D-Amp Driverを使用し、ブザーの仕組みをほぼ変えずに音声ガイドを搭載することができました。
警報音の後に音声ガイダンスを流すことで、その警告音の内容を説明し、分かりやすく伝えます。
ご参考)ブザーを音声ガイドに変えるCRIの音声ミドルウェア、矢崎エナジーシステムのガス警報器に採用 言葉による警報で安全性を向上(2017年5月17日発表)
他にも、複合機、浄水器等、導入実績が多数ございます。
・ウォーターオーブン「ヘルシオ」
スピーカーから音声ガイダンスや、簡単なメロディーが流れます。 さらに、サーバーにあるAI(人工知能)がおすすめのメニューを音声で提案する機能があり、ネットワークを通じて送られた音声データを、ストリーミング再生することで、クリアな音声発話を実現しました。
・無水調理器「ホットクック」 / エアコン / 洗濯機 / 冷蔵庫 / 空気清浄機
音声ガイダンス等が流れます。
音声ミドルウェア、シャープのヘルシオに採用 クリアな音声発話を実現「音声でわかりやすく調理をサポート」(2016年7月6日発表)
※これまで「かるイイ音(かるいいね)」として提供していたミドルウェアは、「CRI D-Amp Driver」の一機能として組み込まれています。「かるイイ音」をお使いのお客様は引き続きご利用いただけます。
・ルームヒーター
音声ガイダンスが流れます。
・加湿器
音声ガイダンスや、ダイヤルの「カチッ」という音をクオリティの高いきれいな音で流れます。
ご参考)CRIの音声技術、バルミューダ2013秋冬の新製品に採用 「最小で最大を。」追求する家電に、軽量・高音質の音声ガイドを実現(2013年11月8日発表)
※これまで「かるイイ音(かるいいね)」として提供していたミドルウェアは、「CRI D-Amp Driver」の一機能として組み込まれています。「かるイイ音」をお使いのお客様は引き続きご利用いただけます。
上記のほかにお使いいただける製品の例を記します。
家電 |
・電子レンジ |
・エアコン | |
・洗濯機 | |
・冷蔵庫 | |
・電子炊飯器 | |
・IHクッキングヒーター | |
・ヒーター | |
・加湿器 | |
・掃除機 | |
・家庭用プリンタ | |
・リモコン | |
・電子楽器 | |
・美容家電 | |
・電子歯ブラシ | |
・AV機器 | |
・AIスピーカー |
住宅関連機器 |
・各種報知器 |
・セキュリティ機器・ドア | |
・警備用機器 | |
・インターフォン | |
・給湯器 | |
オフィス機器 |
・複合機 |
・電子黒板 | |
・入退室管理 | |
・PC周辺機器 | |
・電子辞書 | |
ヘルスケア・医療関連機器 |
・体重/体組成計 |
・血圧計 | |
・血糖値計 | |
・マッサージ機 | |
・滅菌器 | |
・自己測定機 |
業務用機器 |
・FA |
・自動販売機 | |
・ラベル印刷機 | |
・リハビリ用EMS | |
・業務用調理機 | |
・業務用整水器 | |
・防災機器 | |
・電子工具 | |
・ロボット | |
車載機器 |
・メータークラスタ |
・ETC | |
・AVAS | |
・スライドドア | |
・テールゲート | |
・電子キー | |
・電動くるま椅子 |
・サウンド作り
弊社は録音スタジオ・音響設備を自社に設置し、音響・音声に関する豊富な経験や高度なサウンド技術を有しており、組込み機器向け音声コンテンツの企画・設計から最終的な調整まで、各段階に合わせた最適なサポートを提供します。
・導入・製品実装に関して
開発の流れに合わせて、量産までの各種サポートをいたします。
ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
開発の流れに合わせた詳細については、下記の説明書をご覧ください。