ニュースリリース

2008年5月30日

ゲームで待たされるあのイライラを解消!CRI・ミドルウェアから
ファイル圧縮と最適配置で、ロード時間を半分以下に

株式会社CRI・ミドルウェア(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木 久司、以下 CRI)は、プレイヤーを待たせないゲームを手軽に実現するための新しいファイルシステム『ファイルマジック®PRO』をまずはゲーム開発者向けに提供します。

ファイルマジックPRO

ゲームではもはや当たり前となってしまった「Now Loading」という画面表示。プレイヤーは実際にゲームが遊べるようになるまで、このロード時間を我慢する必要があります。プレイヤーをロード時間で待たせることは、ゲーム開発者としても本意ではないでしょう。
実際に、ゲームクリエイターの89%が「ロード時間の短縮」についての悩みを抱えており、その解決手法を探しています(*1)。ゲームそのものの楽しさだけでなく、操作性やゲームが遊べるまでの待ち時間の長さなど、快適にゲームが楽しめること(ユーザビリティ)の重要性がゲーム開発においてますます高まってきています。
ロード時間が短いこと、つまり、ゲームが遊べる状態になるまでの時間が短いことは、「できればケアしたい点」ではなく、「ゲーム開発において必ずケアすべき点」になってきています。

*1 当社調べ(2008年5月13日実施 当社アンケート調査「CRIセンサス」集計結果より)

ロード時間とは、ゲームの起動時やステージの変わり目などに、DVDディスクなどの記録メディアからゲーム機本体の内蔵メモリ領域にプログラムやデータを読み込むのにかかる時間を指します。一般的に、ロード中はゲームを遊ぶことができないため、プレイヤーはロードが終了するまで待たされてしまいます。
ロード中にゲームの操作方法や攻略ヒントを表示したり、アニメーションを再生したりと、待ち時間の苦痛を和らげるための工夫はひろく行われてきましたが、ロード時間そのものを短くするための根本的な解決策が求められていました。

『ファイルマジック®PRO』は、「圧縮&展開」と「ファイル配置の最適化」により、ロード時間を半分以下に削減します。
『ファイルマジック®PRO』は、圧縮することで読み込むファイル自体のサイズを縮小します。一般的な圧縮展開手法では、圧縮して読み込んでも展開処理に時間がかかり、かえってゲームプレイまでの時間が長くなる傾向がありました。
『ファイルマジック®PRO』では、当社独自の展開技術「マジック・ディコンプ」を採用、ワークメモリを一切使用せずCPUの空き時間にバックグラウンドで展開処理を行います。読み込み処理と展開処理とを並列実行することで、(実効)展開時間をほぼゼロにすることが可能です。このように、『ファイルマジック®PRO』は独自の圧縮展開手法により、「圧縮すればするほどロード時間がはやくなる」という仕組みを実現しています。
圧縮&展開によるロード時間削減の効果は絶大で、非圧縮の場合と比べて、ロードのスピードは2倍以上となります。(表1参照)

ファイル圧縮によるファイルロード時間短縮の効果
※画像ファイル(BMP)を読み込んで測定。ファイルマジック®使用時は、元ファイルを約43%に圧縮。
※非圧縮/圧縮とも、10個のファイルを一括読み込みして計測。表内のロードサイズは10ファイルの合計値。
※ロードサイズは、各プラットフォームのRAMに合わせて設定。
※WiiとPSPはDVD-R、PLAYSTATION3はBD-RE、Xbox360/ニンテンドーDS(下表)は各エミュレータ上で測定。
ニンテンドーDSの場合
従来、ニンテンドーDSでは圧縮を行うと展開処理に時間がかかるため、ロード時間が増える傾向にありました。「ファイルマジック®PRO」では展開時間を含めても非圧縮ファイルの場合よりもロード時間が削減でき、より多くのファイルを収録することができます。
表1:ファイル圧縮によるファイルロード時間短縮の効果

さらに、ファイルのディスク上での配置を最適化することで、シークの発生を抑え、ロード時間を削減します(図1参照)。シークとはディスク上の特定の位置からファイルを読み込むためにヘッド(ピックアップ)を物理的に移動させることです。シークには非常に時間がかかるため、その発生を抑えることはロード時間の短縮に大きく貢献します。

ファイル配置 自動最適化

(図1)

『ファイルマジック®PRO』はこのファイル配置の最適化を実現するために「グループロード機能」と「デュプリケート機能」という2つの機能を搭載しています。 「グループロード機能」は、大量のファイル群をあらかじめグループ化しておき一括ロードする機能で、ファイル同士を近接配置することでロード時間を短縮します。「デュプリケート機能」は、特定のシーンで使用するファイルが別のシーンでも使われるような場合に、そのファイルを自動的にデュプリケート(複製)し、それぞれのシーンの近くに配置する機能です。これにより、ディスク上の未使用領域を最大限に活用し、ロード時間を短縮できます。 ファイルの圧縮&展開や最適配置はロード時間の削減にとても有効な手法ですが、実際にはその導入が進んでいないのが現状です。当社調べによると、ゲーム開発に圧縮を導入しているクリエイターはまだ50%に過ぎません(*1)。最適配置についても、「特に気にしていない」と答えた方が19%、「気にしているが手作業では限界があると感じている」という方が52%にものぼっています。 こうした、今まで導入が難しかった手法を手軽にゲーム開発に導入して頂けるよう、これらの手法をミドルウェア化し、『ファイルマジック®PRO』として提供致します。 なお、ファイル圧縮には「ロード時間が短縮できる」というメリットだけでなく、「メディアへ収めるファイル量を増やすことができる」という側面もあります。 ゲームクリエイターの58%はゲームメディアの容量不足に悩んでおり、うち25%はゲームのクオリティやボリュームを我慢することで解決しているといいます(*1)。『ファイルマジック®PRO』を使用すればファイルサイズを半分以下に圧縮可能なので、2倍のファイルをメディアに収録することができるようになります。 『ファイルマジック®PRO』はロード時間の削減だけでなく、メディアの有効活用という点でも大きく貢献します。 このように『ファイルマジック®PRO』は、ファイルロード時間を短縮し、読み込み時のストレスを大幅軽減させ、プレイヤーを待たせずに、より軽快・快適なゲームプレイを実現するツール&ミドルウェアです。 『ファイルマジック®PRO』は、2008年10月より提供を開始します。お客様のご希望に応じて、全機能が利用可能な『ファイルマジック®PRO』と、機能を絞った『ファイルマジック®Standard』の2種類をご用意します。

『ファイルマジックPRO』製品概要
●機種共通の特長
1.圧縮&パッキング 11.使いやすい専用ツール
2.ファイルロード時間を短縮 12.ユニファイドローダー
3.全プラットフォーム対応 13.圧縮を意識させないロードAPI
4.ファイル配置の最適化 PRO版のみ提供の機能 14.IDによるファイルアクセス
5.展開時のワークメモリ不要 15.プライオリティ設定
6.グループロード機能 PRO版のみ提供の機能 16.ノンブロッキングのファイルシステム
7.デュプリケート機能 PRO版のみ提供の機能 17.ファイルアクセスレイヤを換装可能
8.追記対応 PRO版のみ提供の機能 18.プロトタイプ制作をサポート
9.機種ごとの規定に準拠 19.Now Loading進捗表示
10.セキュリティ&暗号化  

●機種別の特長
・PSP/インストール機能 PRO版のみ提供の機能
・Wii/Wiiウェア対応
・PLAYSTATION3/標準フォーマット対応
・ニンテンドーDS/低容量化&『救声主』との連携


●対応プラットフォーム
Wii®
Wiiウェア
PLAYSTATION®3
Xbox360™
PlayStation®2(予定)
PSP®
ニンテンドーDS®
PC


●リリース:
2008年10月~提供予定


『ファイルマジック®PRO』製品紹介ページ


* PRO版のみ提供の機能 と表記のある項目は、『ファイルマジック®PRO』でのみ利用可能。

CRI・ミドルウェアは、多彩なツール&ミドルウェア製品群『CRIWARE®』を通じて、開発工数削減やコスト削減、クオリティ向上のお手伝いを致します。開発者の皆さまがコンテンツの中身の創造・制作に専念して頂けるような環境の実現をお約束致します。

※CRI・ミドルウェア、CRI・ミドルウェアロゴ、「CRIWARE」、「ファイルマジック」、「FILE MAJIK」、「救声主」、「Majik-Decomp」、「マジック・ディコンプ」は、日本およびその他の国における株式会社CRI・ミドルウェアの登録商標または商標です。 ※各プラットフォーム名を含む、その他の記載の会社名、製品名等は、各社の登録商標または商標です。

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