導入事例

龍が如く 見参!(セガ) イメージ画像

『龍が如く 見参!』インタビュー
次世代のゲーム作りを聞きました

プラットフォーム

 

導入製品

CRI ADX / CRI Sofdec / CRI Audio

2008年3月7日インタビュー

———まず音声の部分から伺います。PS3という新しいハードで、オーディオやサウンドやSEという面で『龍が如く』や『龍が如く2』から進化した部分はどのあたりですか?

服部: 自分は『見参!』から開発に参加した人間なので、前作までの詳しい内容はあまり把握してないのですが、引継ぎで聞いた範囲だと、ハードが進化したおかげで同時に再生できるストリーミング数が増えたという部分は大きいですね。メモリ再生していたときと比べ、街なかの環境音などはストリーミングで長尺のデータを使用できるようになったので、違和感はかなり減りました。

長坂: メモリもPS2に比べるとたくさん確保できるようになったので、高ビットレートで再生できる音が飛躍的に増えましたね。メモリ容量との戦いは常に悩みどころなので、そこが楽になったのは嬉しいですね。音関係では大体10MBくらいのメモリを割り当てていました。

———5.1chサラウンドへの対応はどのようにされていますか?

服部: 前作まではイベントシーンのムービーで5.1ch対応をしていたものもありましたが、通常のゲームシーンではPS2自体が対応してないこともあって、実現していませんでした。今回はムービーシーンにはもちろんですが、通常のゲームシーンの5.1chにも対応しました。「CRI Audio」の3Dサラウンド機能を使って対応しましたが、ややこしいことはなく、音の位置情報を設定するだけなので特に苦労はしませんでした。ただ、イベントシーンは画角をプレイヤーが自由に操作できるので、見た目の距離と音を合わせるのには苦労しました。

———音がリッチにたくさん出せるようになると、逆にどれを聴かせるかという取捨選択も大事になってきそうですね

服部: そうですね。やはり、あまり色々な音を重ねるとよく聴こえなくなります。実際に鳴らしてみて、調整して、ということの繰り返しですね。
そういった試行錯誤を前提とした開発スタイルなので、やはりPCで制作することができたのは非常に助かりました。PS3だと動作チェックするまでに時間がかかってしまいますが、PCだと一瞬でチェックできるのでメンテナンス性は本当に良かったですね。PS3とPCで全く同じ音をプレビューできるのでとても便利でした。

ゲームプレイヤーの操作によるインタラクティブな音の変化の試み

———「CRI Audio」にはインタラクティブサウンドを実現するAISAC(アイザック)という機能があるのですが、こちらは使用されましたか?

服部: はい、積極的に活用しました。一番多用したのは足音の部分です。

長坂: 足音はAISACの距離減衰とランダムピッチを使ってリアリティを高めています。あとは天候などの表現ですね。室内と室外での雨音の違いだったり、炎の音が勢いによって変わっていくような表現だったりですね。それをサウンドデザイナーの側で調整できるというのは良かったですね。

※AISAC・・・「CRI Audio」に搭載されている、ゲームプレイヤーの操作によってリアルタイムに変化するインタラクティブサウンドを実現するための独自コンポーネント。従来サウンドデザイナーとプログラマーの綿密なコミュニケーションが不可欠だった音作りの作業が、サウンドデザイナーだけで実現できる。以下の写真のようにツール上でグラフを描くだけで、ゲーム状況に応じてリアルタイムに変化するサウンド演出を実現可能。

『龍が如く 見参!』の炎の演出に使われたAISAC設定画面(セガ様ご提供)

同じく距離減衰の演出に使われたAISAC設定画面(セガ様ご提供)

※距離減衰・・・音源からの距離に応じてリアルタイムに音量やリバーブなどを調節すること。AISACでは簡単に実現できる。

※ランダムピッチ・・・音を鳴らすたびにピッチをランダムに変更すること。AISACでは完全なランダムだけでなく、確率分布の調節も可能。

長坂: ランダムピッチは色々な音に使っていますが、臨場感が出てゲームに奥行きが出ますね。例えば、同じところを殴った音でも、一回一回完全に同じ音であるはずはないんです。そこをランダムピッチで微妙に音を変えて表現できたのでリアリティが増しました。

服部: プログラマーの立場で言うと、本来毎回微妙に違う音を鳴らそうと思うと、それぞれのパターン分の音を用意しないといけないんです。すると容量の面や、何より手間がかかるので、AISACのような機能がサポートされているのは非常に助かりますね。AISACのおかげで、サウンドデザイナーにつきっきりで調整することは減りました。これまでだと、調整のインターフェイスをプログラマーが作って、それを使って調整してもらうという形しかなくて、それもなかなか大変な作業でしたので、それをサウンドデザイナーに任せられたのは本当に助かりました。

長坂: サウンドデザイナーとしても、すごくこだわって作った音を、意図した状態でプログラマーに渡せるというのは良かったですね。

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