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シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~ イメージ画像

ネットワークをフル活用!『シェルノサージュ ~失われた星へ捧ぐ詩~』の挑戦を実現した開発スタイルとは?

プラットフォーム

PlayStation Vita

導入製品

CRI ADX2 / CRI Sofdec2

2012年4月18日インタビュー

———続いてネットワーク周りに話を移したいと思います。「Savebox」をどのように使っていただいたのでしょうか?

先ほど本作では定期的にパッチやDLC配信を行うと説明しましたが、実はそれ以外にも通常のゲーム中に、間断なくサーバと通信が行われています。ゲームの裏側で必要データを自動的にやりとりする、非同期的な通信を実現するために使用しました。携帯ゲーム機でネットワークゲームを行うと、通信環境がクライアントの環境によって動的に変化していきますよね。そんなときでもトラフィックの状態を常にチェックしながら、リトライやデータの正常な受け渡しなどを、自動で判断するようになっています。実はCRI・ミドルウェアさんに一番最初にご相談に上がったのは、この機能に関することだったんです

———いわゆるクライアント/サーバ型ゲームのように、常にサーバと通信しているというわけですね

はい。コミュニケーションパートでどのような選択肢を選んだか、イオンがどのような洋服やアイテムを身につけているか、シナリオパートで廃墟の回復がどの程度進んだかといったことが、逐一サーバ側に送信されています。逆にサーバ側でゲーム進行をチェックして自動的にフラグを立てて、固有イベントを発生させるなどの処理も行っています。

———つまりサーバをクラウド的に使用されたわけですね。ただ、ごめんなさい、ちょっと具体的なイメージが難しいのですが・・・

ええっと、たとえばゲーム中でイオンが「疲れているの?」といったメッセージを出してきたとしますよね。その時に「はい」を選ぶと、忘れた頃になって「あのときは大丈夫だった? 無理しないでね」といったメールが届く、などの仕様が入っています。サーバ側でゲーム状況を常にチェックして、それに基づいてさまざまなイベントがダイナミックに発生するというわけです。

———なるほど、それはおもしろいですね!でも、あえてサーバ側でモニタリングする必要はないのでは?

そこが冒頭の「サージュ・コンチェルト」に重なってきます。もともと本作では一つの世界観に対して、複数のハードウェアやゲームソフトから、同時にアクセスして楽しんでほしいという思いがありました。実際に異世界があったら、いつでも、どんな形でも、そこにアクセスできて、一つのモノを違った角度から見られないと、おかしいですからね。

そのためには、あるゲームでプレイヤーが行った変化が、別のゲームでもきちんと反映されている必要がある。本作であるコスチュームにイオンが着替えて外出したら、別のゲームで出逢うイオンも同じ服を着ていないとおかしい。そこまでやって初めて「異世界」が感じられるだろうと。

そのためには、クライアントとサーバの双方で、データをクラウド的に同期させておき、他のゲームでも参照可能にする必要があります。だからこそゲームの裏側で、自然なサーバ/クライアントのやりとりができる仕掛けが必要だったんです。

———そういうことだったんですね。しかし、それをVitaの第一作で挑戦されたところが、すごいと思います

実は数年前にCRI・ミドルウェアさんで「CLOUDIA(クラウディア、クラウドサーバを用いたスマートフォン向けエンジン)」を紹介してもらったときに開眼しました。今はもう、こんな時代になっているんだと。そこでクラウドを使ったネットワークゲームについてアイディアを温めていました。それがVitaなら実現できるはずだと。

もともとネットワーク周りはVitaの目玉機能なので、ライブラリなども、ある程度は整備されていました。しかし実際には、それに加えてさまざまなカスタムが必要になります。おかげさまでブロックバスターさんやCRI・ミドルウェアさんの助けを得て、完成させることができました。

———ネットワークを活用する上での苦労は何でしたか?

なんといってもデバッグが大変でした。頻繁にデータがやりとりされて、その結果がすぐに反映されるものもあれば、ずっと後になって反映されるものもあったりするので・・・。このメモリの、このあたりのデータが1バイトでも変更されたら「Savebox」に処理を依頼する、といったシステムを弊社のプログラマーが組んだりと、とにかく新しいことだらけでしたね。もっとも「Savebox」自体は非常に安定していて、ほとんどサポートを受けることなく実装できました。

———もっと、このようにできたら良いな、という展望はありますか?

よりリアルタイムにクラウド処理ができるといいですね。もともと携帯ゲーム機と据え置きゲーム機で、まったく違うゲームなんだけど、中のキャラクターに同じ動きをさせたい・・・という妄想がありました。たとえば据え置きゲーム機でRPGを遊んでいて、イオンを俯瞰視点で操作するとします。携帯ゲーム機では、そのイオンの一人称視点で世界を歩いているのがわかる、将来的にはそこまで実現させたいですね。

■定番ライブラリもしっかり活躍

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