導入事例

プリティーリズム マイ☆デコレインボーウエディング イメージ画像

音ゲー、コーデ、キラキラ感。3DSタイトル『プリティーリズム マイ☆デコレインボーウエディング』にみるミドルウェアで実現した女児向けゲーム開発のこだわりとは?

プラットフォーム

ニンテンドー3DS

導入製品

CRI ADX2

2013年4月17日インタビュー

加藤:スケートについては爽快感を求めたいので、フィギュアスケート大会などのビデオを参考にしつつも、そのままでは地味になってしまうので、エフェクトをたくさん加えるなどして、かなり派手に修正しました。逆にダンスについては、あまりお遊戯チックにすると子供たちが引いちゃうので、かなり本格的なスタジオにお願いしています。どちらも筐体版からこだわったところです。

ジャンプにもいろんなモチーフのモーションを作って、それぞれ「ハッピーマカロンスピン」「はちみつキッス」といった、すぐに覚えてもらえるような名前をつけました。「なんだこれは!」と「すごい、すてき!」という両者のバランスをとることですね。筐体版で50種類くらい、3DS版ではその半分くらい入れることができました。

———コーデを変えるとジャンプが変わったり、ステージで相性があったりもしますよね。

加藤:そこらへんのバランスが難しかったですね。かわいいコーデを選ぶと良い感じのジャンプが飛べて、高得点が狙えるというのが基本なんですが、何か特定のコーデが有利になると、それ以外のジャンプを試してもらえなくなります。そのためバランス調整に気を配りました。

———いろいろなコーデを試してもらうためには、それぞれ「かわいさ」の規準を作ることが必要になります。

加藤:そこは衣装専属のデザイナーがいて、これまで筐体版から数えて1000種類以上の衣服のデザインを行いました。コーデにはそれぞれ「セクシー系」「フェミニン系」「スター系」など7ジャンルが用意されています。子供たちも最初は意識せずに選んでいると思うのですが、遊んでいるうちにだんだん好みが出てくるようですね。遊びながら自然にファッションセンスが磨かれるようなゲームになっていたらいいと思っています。

———ストーリーモードのシナリオはどのように作られましたか?

加藤:アニメの前シリーズをベースとしつつ、4月から始まった新シリーズ『プリティーリズム・レインボーライブ』の新キャラクターがひと足先に登場する、などの要素も加えました。アニメの脚本家の方にストーリーの依頼をしたり、こだわった部分もあったのですが、なんとか形にしてもらえました。

僕らには遊ばせ方のノウハウはありますが、ストーリー作りはアニメ業界の方が優れているので、そこはしっかりお任せしています。アニメとゲームでストーリーが違っても困るので、アニメの脚本家の方にお願いできてよかったです。

———他に携帯ゲーム機として意識した点はありますか?

加藤:子供たちって、けっこうみんな3DSのカメラ機能を使うんですよね。僕らは携帯電話やスマートフォンで写真をとりますが、子供たちは持っていないので、3DSカメラになるんですよ。そのためAR機能や、オリジナルのフォトフレームで写真が撮れる「いっしょにプリフォト」など、カメラの遊びを入れました。

———3DSを持ってみんなで筐体に集まるみたいな要素もありますね。

加藤:ええ。筐体版ではゲーム終了後に表示されるQRコードをつかえば、「モバイルクラブ」という特設サイトにスコアを登録できて、全国ランキングに参加できます。3DS版でもこのQRコードを読み取って、デコレーションパーツをもらえるようにしました。ちなみにQRコードは漫画雑誌やイベント向けのものも配信しているんですよ。ただ、3DS同士の通信遊びは時間が足りずに断念しました。そこは今後の課題ですね。

■効率的な開発をCRIWAREがサポート

———小高さんは3DSの開発が初めてとのことでしたが、実際に作られてどうでした?

小高:グラフィックスは任天堂さん提供のライブラリがあったので、そこは作りやすかったです。立体視表現や、二画面の出力に苦労しましたが、自分たちでゼロから環境を作る必要がなかったので、そこは楽でした。またファイルシステムやサウンド管理などがキモになるとわかっていたので、CRI・ミドルウェアさんの「ADX2」を使わせていただきました。総じて「新ハードだから」苦労したという点はなかったです。

———開発体制はどうでしたか?

小高:プログラマが3人、企画が3人、グラフィッカーが筐体版と平行で、最大でも15人くらいでした。ちなみにサウンドは菅原が一人ですべて担当しています。

菅原:開発当時はいろんなゲームのサウンドを同時並行でやっていて、頭の切り替えが大変でした(笑)。

———ミドルウェアはよく使われるんですか?

小高:自分が担当するプロジェクトでは、高い頻度でCRIWAREを使っていますね。筐体版でもオーディオミドルウェアの「CRI ADX」(以下、ADX)を使っていました。3DS版ではADX2を初めて使わせていただきました。

(※1)CRI ADX:「CRI ADX2」の前身製品。現在搭載されているファイル管理部分の機能はなく、オーディオのツール・ランタイムをサポートするミドルウェア。

加藤:筐体版はタイトーさんのシステム基盤「TypeX2」を採用しています。同社のゲームウェアライブラリがCRIWAREに対応していたので、それで使わせてもらいました。

菅原:比較的開発規模が小さめで、サウンドデータを作るだけで目一杯のプロジェクトが多かったので、ずっと「ADX」を使っていましたね。それが3DS版では「このミドルウェアの良さは私が一番良く知っています」などと無理を言って、半ば強引に「ADX2」を導入していただきました(笑)。

CRIWAREは昔から使い慣れていますし、サウンドデザイナーにとっては、いってみればシャンプーの後のトリートメントみたいなもので、仕上がりががらっと変わるんです。調整すればするほど、サウンド全体の仕上がりはよくなるので、うちのような規模の小さい会社こそ、どんどん使った方が良いと思うんですよね。

———「ADX2」で強化されたサウンドオーサリングツールの使用感はどうでしたか?

菅原:弊社ではサウンドの作業スペースが社外にありますので、サウンドを実装するディレクターを別にたててもらっています。「ADX2」のプロジェクトに私がベーシックなサウンド素材をセットして、その上でディレクターが実作業をする形です。キャラクターのボイスなど、音素材を大量に使うプロジェクトでしたが、かなり臨機応変に使えるツールだったので、気持ちよく使えました。

———実際遊んでいると、かなり「喋る」ゲームですよね。

菅原:対象年齢が小さいお子さんですので、操作ガイダンスに音声をふんだんに使っています。「お手本だよ!」「このボタンを押してね!」「ここを見てね!」とか、かなり親切なんですよ。それも一人じゃなくて、いろんなキャラクターに言わせたりしています。途中で「多すぎる」と削られた部分でも、グラフィックで指示を強調してもらう一方で、サウンドでは「キラキラ度」を高めるようにしました。

———曲もたくさんありますよね。

加藤:アニメのタイアップ曲やオリジナル曲など、全部で19曲入っています。メインメニューやストーリーモードで流れるBGMなどを加えると、あわせて40曲くらいじゃないでしょうか。

菅原:オリジナル曲でも、インストゥルメンタルからはじまって、だんだんゲームを進めていくと、歌バージョンの楽曲が聴けるようになります。そんな風に曲がどんどん解除されていく点も、モチベーションの動機付けになっています。ぜひ最後まで遊んでもらって、歌つきの楽曲を聴いてみてください。女の子の心情をストレートに表現する上で、歌詞はすごく重要なんですよ。女の子のボーカルの破壊力って強力ですよね。

———楽曲はカートリッジからストリーミングで再生されているんですか?

小高:最初はそうでしたが、最終的にはリズムアクションをするパートで流れる音楽だけ、オンメモリで展開して再生するようにしました。一曲分だけメモリが空いていたので、急遽変えたんです。ストリームとオンメモリの切り替えも、「ADX2」のツール上で設定するだけで実現できました。実はマスター直前の変更だったので、とても助かりましたね。

———シーン間の切り替えで楽曲がクロスフェードしますが、ここは「ADX2」のクロスフェード機能を使われたんですか?

小高:そうですね。前述の通り、ゲームパート以外はストリーミングで再生しています。それも「ADX2」のクロスフェード機能を使うことで、簡単にできました。

加藤:心残りだったのは筐体版だと全キャラクターがフルボイスでしゃべるのに、3DS版ではROM容量の関係で実現できなかったことですね。筐体版だとADXコーデックの音声ファイルでサウンドデータが2GBくらいあるんです。これが3DS版ではカートリッジ全体で1GBの容量でしたから、まいったなと。

———3DS版ではどのように収められたのですか?

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