ニュースリリース

2007年9月14日

CRI・ミドルウェア、Wii®に最適な動画再生システムを開発
業界最高水準の高画質動画『シネマスタジオ for Wii』

株式会社CRI・ミドルウェア(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木久司、以下CRI)は、任天堂株式会社の家庭用ゲーム機「Wii」向けに、高画質・高圧縮・高機能の動画生成および再生システム『シネマスタジオ™ for Wii』(以下『シネマスタジオ』)の提供を開始致します。

『シネマスタジオ』は、Wii向けゲームソフト上で業界最高水準の高画質動画再生を実現し、動画データ生成に要する工数とコストを大幅に削減します。

シネマスタジオ for Wii

『シネマスタジオ』は、当社10年以上に渡る動画技術の研究成果をフルに活かし、Wiiに最適化された独自動画コーデックを採用することにより、画質や音質を維持しながらファイルサイズを高度に圧縮することを可能にしました。その上、量子化マトリクス制御や離散コサイン変換(DCT)などの動画符号化に関する先端技術を積極的に活用することにより、元となる映像素材の魅力を余すところなくWii上で再現することに成功しました。

これによって、従来では再現の難しかった、映像の持つ空気感や臨場感、人の肌の質感などを忠実に表現できるようになります。実写やアニメーション、CGムービーなどの種類を選ぶことなくあらゆる映像素材に適しているので、いかなるゲームジャンルでも幅広くご利用頂けます。

『シネマスタジオ』は、Motion-JPEGをはじめとするWiiの一般的な動画方式に比べて、「より高画質」な動画を「より手軽」に実現します。複数のツールを使い分けることなく、作業フローも単純化されます。シネマスタジオ専用のデータ変換(エンコード)ツールを使用し、ウィザード(対話形式による操作)に沿ってファイルサイズ等の設定をしていくだけで、驚くほど簡単に動画データの生成ができます(図1参照)。従来よりもはるかに気軽にアウトプットを確認できますので、納得できる画質に至るまで気軽に試行錯誤を繰り返すことができます。

シネマスタジオのシンプルな作業フロー

図1. 『シネマスタジオ』 のシンプルな作業フロー

『シネマスタジオ』は、ワイドTV出力にも対応しております。WiiはもちろんワイドTVにも対応していますが、SD(スタンダード・デフィニション)解像度のみをサポートしているため、ワイドTVで正しく動画を再生するにはそれなりの準備とノウハウが必要です。単純に16:9のワイド映像を用意しても、ピクセルアスペクト比が崩れて縦長の映像になってしまったり、画面いっぱいに映像を表示できなかったりといった問題に遭遇するケースが少なくありません。
『シネマスタジオ』は、WiiのワイドTV出力に最適な動画データを自動的に生成します。ピクセルアスペクト比を維持しつつ最適な拡大縮小/クロップ(トリミング)を自動で行います(図2および図3参照)。SD素材をワイドTVで再生する上で最も画質の良い映像方式である「スクイーズ方式」を採用し、大切な映像素材の持ち味を損なうことなく、ワイドTV上でも再現します。『シネマスタジオ』を使えば、もうワイドTV対応に悩む必要はありません。

ワイドTV出力 設定ウィザード

図2. ワイドTV出力 設定ウィザード

シネマスタジオのワイド対応

図3. 『シネマスタジオ』のワイド対応

また『シネマスタジオ』は、Wii向けゲームソフトの複数言語対応やローカライゼーション(他国向け仕様変更作業)にも役立ちます。『シネマスタジオ』は、その「マルチリンガル機能」により、動画データの「音声」や「字幕」を簡単に切り替えることができます。
『シネマスタジオ』の動画は、動画部分のデータと音声・字幕部分のデータを別個に持っているため、従来のように言語数分の動画データを何本も用意する必要がなく、データ容量の削減に役立ちます。音声と字幕データの差し替えだけで済むため、ローカライズに要する期間とコストが軽減されます。(図4参照)

シネマスタジオのマルチリンガル機能

図4. 『シネマスタジオ』のマルチリンガル機能

他にも、『シネマスタジオ』は、一般の汎用的な動画システムにはない、ゲームとの親和性、拡張性、応用性といったゲーム開発に特化したさまざまな機能や特長を備えています。下記はその一例です。

  • シームレス連結再生、シームレスループ再生
    複数の動画を連結して、あたかも1つの動画データであるかのように再生します(シームレス連結再生)。映像も音声も、つなぎ目は一切意識させません。複数の動画データを用意し、その組み合わせによって無数のバリエーションを実現することもできます。
    また、同じ動画を繰り返しシームレスに再生し続けることもできます(シームレスループ再生)。
  • α(アルファ)ムービー(近日実装予定)
    画面上にピクセル単位で「α値(透明度)情報」を持たせることで、ゲーム画面と動画とを違和感なく合成表示します。
    動画というと矩形(四角形)だけと思われがちですが、『シネマスタジオ』なら、キャラクターなどのオブジェクトの輪郭より外側の領域に対して「透明」つまり「α値」を設定することにより、合成表示など幅広い用途にお使い頂けます。
    オープニングやエンディング、幕間などでの動画再生だけでなく、メニュー画面の背景やアイコン、ゲームシーンの切り替え時の演出として動画を利用できるようになります。
  • シンプルAPI
    動画再生のためのAPI(アプリケーション・プログラム・インタフェース)は非常にシンプルで分かりやすく、C++言語でオブジェクトとして扱えるため直感的な制御が可能です。
    なお、『シネマスタジオ』は、音声出力やファイルアクセスに関するコンポーネント部分を、ゲーム開発会社様独自のものやお好みのものに自由に差し替えることが可能です。
  • ハイパフォーマンス
    アセンブラによるチューニングやマルチスレッドによる負荷分散を行い、Wiiの性能を最大限に引き出します。
  • 動画再生中のデータロードをサポート
    『シネマスタジオ』はデータの読み込み(ロード)を占有しない設計のため、動画再生中であっても、さまざまなデータをバックグラウンドでロードすることができます。これにより、ゲーム中のロード時間を体感的に短縮/削減します。
  • PCプレビューア
    作成した動画データを、PC上で手軽に再生確認できる「プレビューア」をご用意しております。エンコードのたびにWii実機への組み込みを行わなくとも、簡単なアウトプットの確認はPC上で行うことができます。

このように、『シネマスタジオ』は、Wii向けゲームソフトのさらなるクオリティ向上に貢献するとともに、Wiiというハードウェアのポテンシャルを最大限に引き出し、その表現力を大幅にアップさせます。

『シネマスタジオ』の価格は、1タイトルあたり、125万円(税別)です※1
製品の評価・試用はすべて無料です。フル機能をお試し頂けるキットを無償にて提供しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。『シネマスタジオ』のクオリティを実際にその目でご確認頂き、その画質の良さと使いやすさをぜひ体感して下さい。
動画データの生成、ゲームへの組み込みは驚くほど簡単ですので、マスターアップが間近なプロジェクトを抱えている方にもお勧めできます。

なお、さらなる品質を追求されるお客様や、大量の動画データが必要なお客様のために、当社の経験豊富な専門スタッフによる「カスタムエンコードサービス」も別途承っております。Wiiというハードウェアと『シネマスタジオ』そして動画圧縮のノウハウを知り尽くした精鋭スタッフが、被写体の種類や動き、色の変化などさまざまな映像特性を入稿素材ごとに精査し、究極の動画クオリティを実現します。こちらも併せてご利用下さい。

※1:一括固定料金。国内販売/商標表示の場合。


CRI・ミドルウェアは、多彩なツール&ミドルウェア製品群『CRIWARE®』を通じて、開発工数削減やコスト削減、クオリティ向上のお手伝いを致します。また、開発者の皆さまがコンテンツの中身の創造・制作に専念して頂けるような環境の実現をお約束致します。

※ Wiiは任天堂の登録商標です。
※ CRI・ミドルウェア、CRI・ミドルウェアロゴ、「CRIWARE」、「シネマスタジオ」は、日本およびその他の国における株式会社CRI・ミドルウェアの登録商標または商標です。

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