導入事例

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株式会社ペガシスインタビュー
若き動画コーデックの「匠」が語る、エンコーダの真実

プラットフォーム

PC

導入製品

CRI Sofdec

2002年11月26日インタビュー

尽きない「圧縮」への興味と探究心、それがエンコーダづくりのきっかけとなった。

司会: わざわざご来社頂き、ありがとうございます。

堀: 本日は宜しくお願いします。

田中: こちらこそ宜しくお願いします。

司会: さっそくですが、まず、堀さんがこれまでに手がけた成果物や書籍について教えて頂けますか?

堀: はい。Delphi(※1)からDirectXを簡単に使うためのコンポーネント集「DelphiX」の作成や、その解説書である「Inside DelphiX」を執筆したりしていました。

(※1)Delphi: Borland社のビジュアル開発環境。開発言語としてObjectPascalを採用している。DirectXはC/C++言語での使用を想定しているため、そのままではDelphiからDirectXを使うことが難しかった。

田中: それは、堀さんが何歳くらいの時ですか?

堀: 「DelphiX」は17歳ぐらいから作り始めて、19歳のときに「Inside DelphiX」を書きました。

田中: それは凄いですね!

松下: 普通、19歳で執筆はしないですよ(笑)。

田中: 確か「TMPGEnc」も「DelphiX」で作ってるんですよね?

堀: おっしゃる通りです。色調補正ダイアログのオーバーレイ表示(※2)や音声再生で「DirectDraw」と「DirectSound」(※3)を使用しています。

(※2)オーバーレイ表示: 画面上に別の画面を表示する仕組みの1つ。
(※3)DirectDraw / DirectSound: DirectXはPC上のアプリケーションで広く使われるソフトウェアコンポーネントの総称。その中で、DirectDrawは画面の2次元表示に、DirectSoundは音声の再生に関わるコンポーネント。

司会: エンコーダを作り始めたきっかけは何ですか?

堀: それはやっぱり圧縮に興味があったからですね。まずはバイナリ圧縮(※4)、その次は画像圧縮と来て、動画圧縮に入りました。

(※4)バイナリ圧縮: 数値情報(バイナリデータ)に対するデータ圧縮。広い意味では、画像圧縮や動画圧縮もバイナリ圧縮の一種と言えるが、ここでは一般的なバイナリデータに対する可逆圧縮のことを指す。

田中: はじめはデータ圧縮だったんですか?

堀: そうです。ランレングス圧縮(※5)やLZW圧縮(※6)などのプログラムを、圧縮解説書を見ながら作っていました。

(※5)ランレングス圧縮: 同一データ要素の連続出現回数に着目したデータ圧縮方法。
(※6)LZW圧縮: 「スライド辞書」と呼ばれるデータ圧縮方法を改良したもの。

田中: 私もサターン(※7)向けにデータ圧縮を作っていたことがあります。その後、動画圧縮もやるようになったので、堀さんと近いですね。サターン用の動画コーデックであるCinepak(※8)のプレイヤーを作っていました。

(※7)サターン: 1994年に発売されたセガの家庭用ゲーム機。
(※8)Cinepak: 米Radius社が開発した動画コーデック。比較的計算量が少ないため、当時のCPUでもソフトウェアだけで処理できた。

堀: それは近いですね!

田中: はい。

堀: 当時、サターンのCinepak映像を観て「ゲーム機でもムービーを再生できる時代が来たんだなぁ」と思いました(笑)。

田中: Cinepakプレイヤーの後、サターン向けに「MPEG Sofdec」を作りました。今の「Sofdec」の前身です。当時(1996~1997年頃)はエンコーダもまだ低速で、ソフトウェアエンコード(※9)はかなり苦しかったはずですが…。その頃、堀さんはもうMPEGエンコーダを作りはじめていたのですか?

(※9)ソフトウェアエンコード: 特別なハードウェアを使わず、ソフトウェアだけでエンコードすること。

堀: 1998年頃から作り始めましたので、時期的には田中さんの方が早いですね。その時に使用していたマシンは、Pentium Pro 200MHzでした。

田中: リアルタイムエンコード(※10)は、まだまだ夢の話だった時代ですね。デコードの方は大丈夫でしたか?

(※10)リアルタイムエンコード: 動画の実時間と同等の速度で、高速に即座にエンコード結果を出力できること。

堀: デコードはSIF(※11)ならリアルタイムで出来ていた記憶があります。当時はMMX(※12)などがまだ登場していなかったので、リアルタイムエンコードは夢でしたね~。

(※11)SIF: ここでは「360×240ピクセル程度の解像度を持った画像」という意味。
(※12)MMX: X86系CPUの拡張機能のひとつ。整数の並列演算など、画像の高速処理に向いている。

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