ゲームは和風、開発は洋風?ツール&ミドルウェアを駆使して実現した極上サムライゲー『侍道3』
プラットフォーム
導入製品
ファイルマジックPRO
———なるほど。企画としては当初の予定通り進んだというイメージですか?
宏治郎: 今回はPS3という新しいハードへの挑戦だったのですが、技術的にはあまり欲張らずに、今までのノウハウを活かしながら現実的な線をいこうという腹積もりでした。とは言っても新しいハードで規模も大きくなりましたし、当初の予定よりも苦労した部分もあります。2年半という開発期間は決して短くはないですよね。ただ、「Gamebryo」というゲームエンジンを採用していたから2年半で済んだとも言えるかもしれません。
鎌田: 以前開発した『忍道 戒』でもミドルウェアを採用していて、そのときに「新しいエンジンを作るより、ゲームのコンテンツに力を入れよう」という考えがありました。今回も新しいプラットフォームですし、技術的な部分に力を注ぐよりはゲームエンジンを採用するというのは当初から考えていたことです。
———プロジェクトに関わった人数はどのくらいですか?
宏治郎: 開発体制は薄い時期も厚い時期もありますので一概に何人、とは言いにくいのですが、社内で『侍道3』に関わったのはのべ40~45名程度、ゲーム開発部のほぼ全員ですね。2年半前から今までにかかった作業量を計算してみたら、20人が丸々2年半開発を行ったという計算になりました。
前作と比べると、感覚的にはおよそ2倍といったところでしょうか。
———それには、やはり次世代機に変わったことが大きいのでしょうか? それとも内容が増えたからという面が大きいのでしょうか?
宏治郎: 恐らく両方ですね。弊社として初めてのPS3というのはやはり大きかったと思いますし、新システムの採用はもちろん、単純にボリュームという面でもかなりのものになっていますから。
———プラットフォームをPS3に移して進化した点などはありますか?
小山: AIを強化して、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)の反応を格段に増やしたことです。もちろん、データやプログラムの部分でも分量が増えるため大変だったのですが。前作NPCは、歩いている主人公に話しかける程度だったのですが、『侍道3』では死んでいるキャラクターを見つけた場合、土下座している場合など、さまざまな状況に応じた反応をするように設定しています。
宏治郎: もう何度もクリアしているのですが、それでも聞いたことの無いセリフを聞くことがあったりします(笑)
プレイヤーの行動によって偶然の状況が生まれて、NPCが面白い反応をすることがあるかもしれません。このあたりもゲームユーザさんに楽しんでいただけるポイントかな、と思っています。
思いもよらぬシチュエーションがあるかも・・・
■『侍道3』が「ファイルマジックPRO」を導入したきっかけとは?
———今回「ファイルマジックPRO」(※1)を導入することになった経緯を聞かせてもらえますか?
宏治郎: 実はPS3版は無償提供(※2)という話を聞きまして(笑)。それでちょっと話を聞いてみようと思ったんです。
※1 ファイルマジックPRO:圧縮、パッキング、最適配置などでディスクメディアのロード時間を約1/2にまで短縮するミドルウェア(ファイルシステム)。現行するすべてのプラットフォームに対応している。 ※2 PS3向け「ファイルマジックPRO」は2010年3月まで無償提供される。詳しくはCRI・ミドルウェアのニュースリリースを参照。 |
※現在提供されている「ファイルマジックPRO」の最新バージョンではGA(遺伝的アルゴリズム)を利用したファイルの自動最適配置機能も追加されています。。 |
小山氏
———パッキングの単位はどういう単位で行われたのですか?
小山: 基本的には、全てのファイルを1つにパッキングしました。「ファイルマジックPRO」を導入するまでは、1つ1つのファイルをオープンしてリードするという流れだったものが、1回のオープン処理で全てのファイルのリードが行えるようになったのでロード時間が非常に短くなりました。ただ、今回はADXは利用していないので、ストリーミング音声についてはパッキング対象から外しています。
ワークフロー的にも、全ての作業が終わった段階で最後にパッキングするという流れでしたので、特に手間が増えたということもありませんでした。
宏治郎: ゲームはPCベースで開発しているので、週2回くらいのペースでディスクを作って実機で確認作業を行っていました。その際だけパッキングの作業が発生するという形ですね。
———ファイルの最適配置はいかがでしたか?
小山: 手作業で全ての配置を差し替えるのは不可能ですから、効果を出したい部分だけピンポイントで並び替えました。あまり時間をかける余裕はなかったのですが、僅かな時間でも効果は得られたと思います。
———「ファイルマジックPRO」は10月1日の正式提供前の対応で、一部機能のみの提供となってしまったのですが、それでも貢献できたようで良かったです。CRIとしても「Gamebryo」との連携はチャレンジでしたので。
小山: 「Gamebryo」にもファイルシステムは当然用意されているのですが、他のシステムと連携させるためのインターフェイスも定義されていて、「ファイルマジックPRO」を使うようにするブリッジモジュール(異なるミドルウェア同士をつなぐ橋渡し的な存在)をCRIさんに用意していただいたんです。それを使うとすぐに組み込めました。
———最初にお話をいただいてから、専任の担当を置いて、ゲームエンジンを解析してモジュールを作成するまで1ヶ月程度です。もちろんこれだけのスピードでできたのは、当初から「Gamebryo」が他のミドルウェアやツールとの連携を前提としていたからですが。
清水: 「Gamebryo」の特長は色々とありますが、その一つが柔軟性です。世界には非常に多くのゲームエンジンやミドルウェア、ツールがあり、各ゲームメーカーにおいても独自のゲームエンジンなどを開発されているところが多いのですが、そうしたソフトウェアとの連携が非常に容易になっています。
■外部との連携で、コンテンツ作りに注力
2021年3月10日(水)、6月9日(水)
「Aeropoint GUI for RX」New Featureオンラインセミナー(ルネサス エレクトロニクス主催)
2021年1月20日(水)~1月22日(金)
2020年12月15日(火)
「Aeropoint GUI for RX」New Featureオンラインセミナー(ルネサス エレクトロニクス主催)2020年12月開催
2020年12月2日(水)~12月4日(金)
「CRI ADX LipSync」が実現する感動的なリップシンクー『ALTDEUS: Beyond Chronos』の魅力的なキャラクターの実在感について開発陣に訊く
MyDearest
「当たり前のこと」をCGキャラクターが表現するには?「THE IDOLM@STER MR ST@GE!!」でCRI ADX LipSyncが実現したスムーズなリップシンクについて開発者に訊く
バンダイナムコエンターテインメント
ジャンルが変わり物量が増えても『龍が如く7』は“声”でドラマを彩る—収録ボイス数はシリーズ最多の約53,000!妥協なきサウンド開発を支えたのは「CRI ADX2」だった
セガゲームス
【インタビュー】歴代サウンドディレクターに聞く!『戦国BASARA バトルパーティー』におけるユーザ目線のサウンド実装とは
カプコン
サーヴァント総数240騎、音源数約40,000個!
『FGO』のサウンドを支える「CRI ADX2」と効果音収録スタジオを初公開
2021年6月1日
IoTサイバーセキュリティ専門企業Terafenceと共同開発した「Vsecure」が沖縄の防衛施設に採用
~片方向通信アーキテクチャで監視カメラへの不正アクセスを完全に遮断~
2021年5月11日
デジタル展示会プラットフォーム「CRI DXExpo」が「Super City/Smart City OSAKA 2021」に採用決定
~来場者に直接アプローチできる「呼びかけ機能」が新たに搭載~
2021年4月20日
【ウェブテクノロジ社ニュースリリース】
ウェブテクノロジの画像軽量化ソリューション「SmartJPEG」が、コマースニジュウイチの新 EC プラットフォーム「ECo2」に標準搭載